さて大方の予想通り日銀は金利を０．７５％に利上げしましたね。
このタイミングで行ったのは私は間違いであると考えております。
日銀の利上げ方向性は仕方がないとは思うのですがそれは常に緩慢な方向性であるべきである、つまりデフレに陥ることはもう永遠にないだろうと高確率で見なせる段階になるまでは安易に利上げを敢行すべきではないというのが私の考えだからです。
従ってその観点から行くと今回は利上げすべきではなかったということになります。
日銀の考えとしては円安対策だ物価高対策だと述べてくるのでしょうが、この結果によって利するのは銀行だけでしょうね。
銀行にとっては労せず金利収入が入る利率も上がったわけですから、たかが０．２５％されど０．２５％で預金額が膨大ですからわずか０．２５％でも兆円クラスの金利収入が日銀から頂けるとなっていくわけです。
こんなぼろ儲けが出来るのにリスクを負って民間の中小零細企業に貸し出しを敢行できるかどうか？私は貸し渋りが強まる結果となるとみておりますがこれは日本経済復活へ向けてマイナスでしかないという判断ですね。
専門家の方々の多くは利上げは妥当とする方ばかりであり、ところが全然円高にもならず、直近でも円安が急伸しています。利上げ＝円高と盛んに言っていた専門家の方々は謝罪してほしいものですが、実際にはすでに出尽くしている、さらに利上げをしなければならないと自分の見通しの間違いの言い訳に終始しています。これが評論家というものを私が全く評価しない最大の理由ですね。自分の言葉に何ら責任を持っていない。経営者にせよ政治家にせよ相場師にせよ結果を出せなければきちんと自分で責任を取るのが普通の実践家たちなのですが、日銀構成員も含めていわゆる責任のない人たちは今日も適当なことを言い続けてやり続けて労せず金を貰っているのです。
植田総裁はもう財務省に支配されているということなのかもしれません。高市総理は利上げ慎重派でありましたから今回の日銀の決断は忸怩たる思いだったと思いたいところですが、会談は重ねて一定の合意はしたうえでの今回の利上げでしょうから高市総理の責任も一端あると言わざるを得ません。総合的には高評価な高市総理ですがこの日銀の利上げを容認したことは間違いなき失点として私は冷徹に評価しておきたいと思います。日本経済のためにはアクセルを踏むと同時にブレーキを踏む政策はマイナス効果となると私は考えるからです。
利上げ＝円高とは必ずしもならない
これはもう相場を張っている人間なら常識的に経験的に当たり前の論理なのですが、なぜか経済専門家、金融専門家と称する方々の中では利上げ＝円高こそが常識なようなのです。結果どちらが正しいかは明白で実際円安方向性に進み続けているという点で私を含むプロの相場師なら誰でも分かる基本原理が正しいということになっているのが現実ですね。
１ドル１６０円台に進みそれが定着していく展開が高確率事象と述べておきましょう。
利上げしても円高にならない、だからさらに利上げしなければとさらに急進的に利上げしてさらなる円安が進むという展開が将来リスクとして日銀の財務省支配によって行われつつある現状ということになります。
日本国民の皆さんはしっかりと円売りをしておいてくださいね。もうこういう国家運営エリートたちが結果を出せない愚かな人物たちであるということが露呈していますから自己防衛するしかないのです。
あなたの総資産の１００％とは言いませんがその多くを外貨に換えておくことは非常に適切な自己防衛になると若い人たちにも述べておきたいと思います。
日本で生活している限り円を使わないわけにはいきませんから日本円を一定程度確保はしておかねばならないですが、少しでも余ったらそれはただただ外貨、例えばドルに換えておくだけでも非常に有効となる時代に突入する確率が高まったということが今回の日銀の対応ということになります。
残念な話ではありますが、日銀は財務省の手に堕ちたということなのでしょう。
銀行もめちゃくちゃ儲かりますので評価することになるのでしょう。
日本経済は厳しい情勢になるリスクが高まってせっかくの高市政権による矢継ぎ早な補正予算による経済対策も利上げで相殺されてしまって無駄になる可能性も高まってしまったということになります。
明るい兆しが見えてきたところで一気に冷やされた事象ということになってしまいました。
いずれにせよ大事なことは利上げ＝円高などという嘘をまき散らす財務省以下、お抱え学者やマスメディアに巣食う連中に騙されないようにしてくださいということになります。
利上げは高インフレ抑制のため
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は予想通りにそれが当然であるかのようにほとんど批判されることなく利上げが実践されてしまいました。
私は利上げというものは高インフレに苦しむ経済情勢のときにそのインフレ抑制が最重要となっているタイミングで実践するのが最良だと考えております。
ですからデフレ時代において黒田日銀総裁による異次元緩和、マイナス金利と徹底的に利下げ方向性となる施策をゼロ金利以降もやり続けた日銀を評価し続けてきましたが、植田日銀総裁になって以降はやはり財務省の息がかかった日銀委員ばかりとなってしまい高インフレでもないのに利上げをする急進的利上げを敢行しつつある現状であるということになります。
来年へ向けて明るい兆しが見えてきたところで一気に冷や水を浴びせられたといったところです。
こういうアクセルを踏みながらブレーキを踏むということをやるのは政府と日銀の整合性がない、ちぐはぐな政策ということになります。
相場は円安株高相関というものが大きいですから日銀の失策によって円安がより進めばむしろ株高になるとみておいて良いでしょう。ただそれは日本国内経済の繁栄によるものではない形での株高ということになりますので多くの日本に住む国民にとってはやはり日銀のこの失策を批判しなければならないと私は思います。巷では日銀への好評価ばかりの様相ですが、非常に残念な日銀総裁の決断ということになりますね。
