こだわりの誤謬

独活日記(相場を生き抜くために)

人は常にこだわりというものを持っています。

人生においてはそれはその人の人生ですから仮にそれが大間違いであったとしてもこだわり続けても自由ですし、大間違い人生というのは一つのドラマともなって教訓として残ることもあります。

しかし相場ではこだわりはただただ相場から確実に退散させられてしまう百害あって一利なしのものです。

ですからこだわりを捨てよと私は口を酸っぱくして述べ続けているわけなのですが、実際には多くの投資家たちが自分の考えというものにこだわり、自分の選択銘柄に私の○○銘柄は最高だと自信過剰に述べてそこにこだわり続けてしまう大間違いを犯してしまうことになります。

今日はこのこだわりということについて改めてじっくりと考えてみたいと思います。

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こだわりという名の自信過剰

まずこだわる人は自信過剰であるということに全く気付いていない人が多いですね。

何か自分だけが手に入れた聖杯であるかのごとき崇拝を自分の考えに持ってしまいます。

それはあまりに自信過剰であるということになります。

一定の自信を持つことは大切です。

自信があるから仕掛ける決断が出来るという側面があるからです。

私も当然相場を適切に張り続ける自信がありますが、しかしそれが過剰には決してならないのです。

それは私は特定銘柄にも特定取引にも決してこだわらないことで証明されます。

自信を持って特定銘柄を選び特定取引を仕掛けるわけですが、結果としてそこで確実に大利を得られるなどと言った自信過剰な考えは持ち合わせていませんし、実際適切なタイミングが来たら損益状況がどうであれしっかりと手仕舞います。

あなたが特定銘柄にこだわっていたり特定取引に固執しているならあなた自身の自信過剰を疑いましょう。

こだわるところを間違っている

相場でこだわるべきところはもちろんあります。

それは前回にも述べた一貫性、相場を張る上での姿勢をきちんと適切に順守し続けるということです。

しかし多くの投資家たちはそういったことをこだわるよりも自分の考えにこだわってしまっています。

この銘柄は将来大化けするとしてチャートが崩れていても業績悪化していてもこだわり続けます。

チャートで売買判断をしているならチャートが崩れたら見切るのが当然ですし、業績で売買判断をしているなら業績悪化しているなら見切るのが当然です。

自分の売買判断に対して客観的に分析をして実践行動をしなければならないのですが、どうしてもこのような自分の考えにこだわる投資家はそれが出来ず、少しずつ分割難平していけばよいだとかいった発想に陥ってしまい、非常に難しい売買を繰り返して薄利多売買だとかいって自分の素人売買を慰めるのです。

こういった素人売買をしてしまう投資家たちは残念ながらこだわるところを間違っているのですが、こういった人に何を言っても通じることはなく、やはり同じことを繰り返していって相場急変によって最終的な資金破綻が確約されている投資家ということになりますね。

自分にそんな傾向があると思ったら取り返しのつかない事態になる前にこだわるべきところを間違っているということに気づきましょう。

こだわる人は結局相場評論家

結局間違ったところにこだわってしまう、特定銘柄にこだわったり特定取引にこだわってしまう投資家というのは相場評論家に過ぎないということなのですね。

チャート分析を駆使して売買するならそのテクニカル分析に従い続ける投資姿勢を見せなければなりません。

業績を分析してその将来性を計って売買するならそのファンダメンタル分析に従い続ける投資姿勢を見せなければなりません。

私が何度も繰り返し述べていることですが相場評論家になってしまっている投資家はあまりに多いのです。

大事なことは知識量ではなく、あなたが適切に売買を継続できる素直さを持っているかどうかなのです。

ここに気づけるかどうかなのですが、多くの投資家たちは一生懸命知識を増やして頭でっかちにはなっていくのですが、相場で大成功を収め続けることは出来ず仕舞いなのです。

そしてその原因を自分自身の姿勢に求めずに時代が悪かっただとか運が悪かったとか言って責任転嫁しているのですね。

それはまさに評論家の発想ですからこだわる人は結局相場評論家であると結論付けられるわけです。

こだわらないためにどうすべきか?

では今どうしてもこだわってしまう投資家はどうすればこだわらなくなれるのでしょうか?

結局ここが一番知りたいところでしょう。

そのためにはまず過剰な情報を取得しようとする習慣をやめることです。

情報収集能力、解析能力はコンピューターに人間は決して勝てません。しかし相場ではコンピューターしか勝たないということはなく、むしろ大きく上回る成績を残す人間の方が多いのです。

この事実をじっくりと考えてみると良いでしょうね。

情報量がモノを言う世界なのであるならコンピューター売買が最も良い成績を残し続けていなければならないのです。

敢えて情報を取得することを止めて売買実践に集中してみることを試すことを強くお勧めします。

情報があってもなくても実践においては関係ないということが分かって、相場で成功し続ける投資家としての思考がどういうものか少し見えてくるようになると思います。

次にもう一度自分の売買手法というものを見直してみましょう。

あなたがすべきはあなたの考えにこだわることではなくあなたの選んだ売買手法を順守することにこだわることです。

この当然の事実をしっかりと認識するためにもあなたの売買手法がどういうものなのか自分で自分に説明してみてください。

意外と自分がやっていることを上手く説明できない投資家も多いのです。

それはしっかりと理解していないということであり、そんな状態で実践段階で正確に継続出来るわけがありません。

勝率はどの程度なのか、順張りなのか逆張りなのか、売買頻度はどの程度なのか、もう一度しっかりと再確認しましょう。

そうすることであなたの心のこだわりが少し取れて目の前の銘柄取引にこだわっていることの無意味さ、その今の状況はワンオブゼム、長い投資家人生におけるたった僅かな一例に過ぎないことに気づき、そこへのこだわりが失われていくことでしょう。

こだわりの誤謬

最後までお読みいただきありがとうございました。

相場の世界においてこだわりは百害あって一利なしです。

我が道を行く投資家は最終的には市場の考えに逆らって相場から退場させられることを運命づけられています。

これが相場の絶対的真理なのですが、やはり今日もこだわり続ける投資家たちはそれを分からずにお釈迦様の手の上の悟空であり続けているのです。

こだわりの誤謬に気づきましょう。

ときに気まぐれで理不尽な思いもさせられてしまう市場の考えですが、粛々とそれに従い続ける姿勢を保ちましょう。

自分の考えを排し、こだわりを捨てましょう。

相場での継続した成功はただただこのこだわりを捨てることが出来るかどうかに懸かっている。

そう主張する私翁の言葉をどれだけの投資家たちが信じられるか?

まあほとんどの投資家たちは信じることは出来ず、結局今日もお釈迦様の手のひらの上で一喜一憂するのでしょうね。

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