失敗の効用

独活日記(相場を生き抜くために)

この世に完璧超人はいません。

いや大谷選手は圧倒的メンタリティで世界最高額の給料に見合う結果を親友のように慕っていた人間に裏切られてもなお残しているという意味で超人ではあるかもしれませんね。しかしやはりそんな純朴なひたむきな野球少年だけにギャンブル依存症患者の餌食となり、それを見抜くことはできなかったという意味で完璧ではありませんでした。ある意味では身近に置くべき人間を正しく見抜くことに失敗したということになります。

しかしこういった失敗は常に学びの場となります。

今日はこの失敗の効用について考えてみたいと思います。

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失敗はいつもネガティブなイメージで語られる

失敗と言うといつもネガティブなイメージで語られています。

失敗してしまった。

この言葉からポジティブなイメージは浮かんでこない人がほとんどなのです。

しかし実際には失敗することでこういうことはやってはいけないんだな、気を付けなければならないんだなと学ぶ経験が出来たわけでそれはただ頭でっかちに上辺の知識を膨らましただけの人間では得られない貴重な経験なのですね。

相場でも同様です。

相場を張る上でも何か絶対に失敗したくないかのようなポジションの取り方をしている投資家が後を絶ちません。

現相場環境においては長期上昇トレンドが継続していますからそれでも上手く行くことも多いからまあ結果良いのですが、これは誤った成功体験を積み重ねることにもなり、相場は長期下落トレンドとなる時代も来るということをきちんと理解したうえで踊らされていれば問題ないのですが、失敗というものをますます避けるような売買となっていってしまいます。

失敗が人を成長させる

人生においてもこういうことになるわけですし、実際いろいろな方々の人生訓などを読んでみてもこういったことが度々言われています。

そして実際その通りなのですがただいま失敗したばかりの瞬間の人はなかなかこういった言葉も上手く自分の心に入っていかないことも多いものですね。

相場を張ってこだわってこだわって結局大損した瞬間において、その大失敗取引に対してこれで私は投資家として一歩成長したとポジティブに思える人というのはなかなかいないものです。

しかし相場でもまた失敗が投資家を成長させます。

この大損体験は絶対に相場ではこういうことはやってはいけないということを学べた貴重な経験なのです。

知識では分かっていても人間は実際に自分自身で体験するまで本質的な理解が出来ることはありません。

だからメタボな身体をした健康評論家なんて人が登場すると苦笑してしまうのです。

若者は老人の時代遅れの発言を聞いて老害だと言うわけですが、将来自分自身が同じように老人となって時代遅れの発言をしてしまうことになることは全く想像していないのです。

人は自分自身で経験しない限りとある事象において本質的理解は決して出来ないというのが真理です。

ですから評論家の発言よりも実践家の発言の方がたとえ同じ発言であったとしても重みが数段上であるということになります。

いずれにせよ失敗が人を成長させるということを強く認識してください。

失敗はすればするほど良い

これは新奇な意見かもしれません。

私はこのように考えています。

ご存じのように私は相場師として長年生き残り続けてきましたが、売買において勝率はわずか2割です。

8割は成功裏に収まらずに失敗してしまった取引群です。

しかし今日も晴れやかに相場を張り続けている。

これはいったいぜんたいどういうわけなのか?

投資というのは塩漬けになっても失敗を認めず耐えて耐えて待ち続けて長期に渡ってあきらめずに投資し続けていくことで大収穫を得られるのではないだろうか?

こういった疑問を多くの投資家たちが持ちます。

投資で失敗したことがない投資家は何十年投資をしていようが大資産を築いていようが相場においてはひよっこ同然です。

そんな人がいたとしてそういう人は相場環境がたまたま現在良いだけの話だからです。つまり宝くじ高額当選者の一人ということですね。

相場を張って継続して成功し続けるためには失敗を認めて見切ることが出来続けるかどうかが全てなのです。

ですから失敗をすればするほどますます相場では成功の継続率は高まり続けます。

そしてそれを生涯継続できたならあなたは最高の投資家です。

失敗はすればするほど良いのです。

時代方向性というもの

最後までお読みいただきありがとうございました。

歴史的な円安水準となってきましたね。

私としては自明の理となる『時代』を背景とした相場の実践家としての直観とも言える方向性なのですが、いわゆる頭でっかちな上辺だけの経済カタカナ専門用語を駆使して御託を述べているだけの相場の素人経済評論家たちは何故こんな事態になっているのかさえ全く理解していないのでしょう。

言い訳としては日銀はそれほど急進的な利上げはしてこない上に米国のインフレが高止まりで利下げどころかさらなる利上げさえあり得る経済状況となってきたからと言っているわけですが、残念ながらこういった言説も大間違いなのです。

長期円安方向性は時代方向性です。

決して金融政策や経済指標による方向性ではないのです。

誤解してはいけませんが短期的にはもちろん財務省が円買い介入するなり日銀が急進的な利上げをするなり、FRBが利下げを実践することで円買い方向性に向かうことはありますが、常にそれは一時的な現象に終わり、結局時代の流れに逆らうことは出来ずに円安方向性に向かうというのがかなりの確度の時代方向性です。

エヴィデンス、根拠が示されないと動けない人間も多くなりました。直観力というものが失われている人たちが増えてきているのでしょうね。科学の進展がそれを助長しているのかもしれません。

相場も確かに統計の世界の一面もあるわけですが、それだけで完結するような浅い世界ではないのです。

このことは結局相場を真剣に張り続けてきた人間にしかわからないだろう直観を前提とした時代の読みといったものですね。

ですから結局は翁の戯言として聞き流してくださればよいのです。

いずれにせよ将来昔翁が言っていたことが実現してるよということが分かればよいのですから。

失敗をすればするほどより直観力というものが培われていくようですね。

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