結局プロの世界であってもどんな世界でも当たり前のことが出来るかということが問われ続けています。
野球なら球を打てるのかストライクを取れるのかこの当たり前のことを出来続けるのかどうか?
結局はこの当たり前のことが出来る人がプロ野球選手となっているわけです。
何か複雑なことが出来なければプロではないのではないかと思われてああだこうだと理屈を述べて行ったりするのですが、結局は当たり前のことがプロではない人は出来ないのです。
スピードが何キロだろうとどんな変化球であろうと打てるのがプロの打者であり、どんな球を投げてもストライクを取れるのがプロの投手であるということになります。
アマチュアではこれは決してできない。
それだけの話なのですね。
相場でも同様なのです。
プロの相場師とは結局相場を張って一定の総合的結果を出し続けることが出来るかどうか、要するに適切な売買を継続できるかどうかその当たり前のことが出来るかという話なのです。
だからどんな銘柄を買うかとかどんな売買手法を使うのかとかいったことはどうでもいいのです。
どんな銘柄を選択しようがしまいがどんな売買手法を使おうが使わまいが結果を出し続けているといった当たり前のことが出来ているならそれはプロの相場師なのです。
結果というもの
結果を出し続けていれば何でも良いといった発想は誤解を呼ぶ言葉です。
勝負事のプロであるなら何か全戦全勝していなければならないかのような思考に陥ってしまうからです。
全勝とは行かなくてもかなりの高勝率でなければならないと思われるかもしれません。
しかし実際にはそんなことはありません。
プロでも失敗してばかりです。
例えばプロ野球の打者は超一流選手であっても打率4割に行くことはなく、3割台で最高評価され、2割8分くらいでも普通にレギュラークラスなのです。
つまりその試行結果の多くが失敗に終わっている、結果を出せていない凡退であるということです。
ここがとても大事な点です。
相場の世界も同様で相場も一つの取引といったものをピックアップしていけばプロでも多くの失敗を重ね続けているということなのです。
結果というものは出来得る限り出し続けたいものですが、実際のところは完璧に結果を出し続けることはどんな人でも不可能であり、常に試行錯誤であり、向上成長を計りながら、しかしそれでもとある事象の多くでは結果を出せずに終わるということになるということを当たり前の思考にしてください。
当たり前にしておくべきこと
結果を出し続けるということが大事なわけですが、それは個々の打席結果にこだわるわけではないということを理解する必要があるわけですね。
あくまで例えば一年を通した総合的結果を見て打率2割8分程度なら十分素晴らしい結果であるということになります。
相場の場合は勝率は全く関係なく、多くの失敗取引を重ねながらも少ない成功取引で得た結果が失敗取引の結果を上回る総合的結果を出していれば総合的利益となり、それで結果を出し続けていると考えてよいということです。
この思考を当たり前にしておくと良いでしょう。
本当に個々の取引、目の前の銘柄、売買にこだわる投資家が多すぎるのです。
そういったとある取引、とある銘柄選択、それは生涯相場を張っていく上での極々僅かな一選択なのです。
その極々僅かな一選択における結果にこだわることの愚鈍さを理解してくださいね。
相場師は適切な売買を繰り返せればよく、そのやり方自体は平易なものですが、それをその経過における状況に翻弄されることなく継続し続けることが人間心理的に困難であるだけの話なのです。
相場技術が一切必要ないというわけではありませんし、私も細かいプロとしての相場技術を保持していますが、しかしそれ以上に大事なことは、仮にそれが劣っていても問題なく成功できるのが相場であり、技術以上に精神確立が大事な仕事であるということになります。
当たり前が難しい
当たり前のことが出来るかと言ったときに、その当たり前が難しいということはよくある話です。
バットを振って球に当てることは何度もやっていれば誰でも当たることは当たるでしょう。
野球経験者ならホームランを打つことが出来る方も少なからずいらっしゃるでしょう。
しかしそれを凄い技術を持った人たちの集まりの中で当たり前にバットに当てることは多くの人たちには難しいというのが事実です。
いわゆる評論家気分でこの選手はもっと肩を下げろだとか肘の位置が悪いとか偉そうに述べる人自身はそれを自ら実践できる人間ではないということはあまりに多いのですね。
相場の世界も簡単に利益が出るような気がする瞬間は誰しも持ちます。
実際初心者でも場外ホームランを打ってしまうことがあるのが相場なのですが、問題はそれを継続できることはほとんどないということです。
ただ決められた通りに売買すれば良いだけの話なのですが、その当たり前が難しいのが相場ということになります。
ここの対処をいかに成すかが私も含めて多くのプロの相場師たちが対処し継続している研鑽です。
当たり前のことが出来るということ
最後までお読みいただきありがとうございました。
こんなこと誰でも出来るのではないか?
そう思ってしまうのが巷の無数の評論家たちです。
自分ならもっと上手くできるかの如くに偉そうに今日もあれこれ言いたい放題ですね。
しかし実際にいざ自分でやってみたら出来ない人たちであることがほとんどなのです。
従ってどんな世界でも当たり前のことが出来るということはとても素晴らしいことであるということを知ってください。
相場で成功し続けることは本当に難しいことなのです。
やるべきことはとても簡単なのですがそれを実践継続できるあなた自身の精神確立が難しいのです。
従ってその当たり前のことが出来続けているならあなたはもっと自分を誇って良いでしょう。
それは誰でも出来ることではありません。
こういったことがあらゆる世界で横行しています。
私がどんな分野の世界でも評論家より実践家を愛するのは常に言うは易く行うは難しという諺がいつの時代もどんな世界でも通用する諺だと考えているからです。
当たり前のことが出来る人は意外とこの世には数少ないのです。