対メキシコ
メキシコに対する関税の段階的引き上げといった政策を掲げることによってトランプ大統領はメキシコが移民対策に本気で取り組むように攻勢を強めています。
いわゆるメキシコに工場などを置いているグローバル企業関係者などはわかりやすい反応を示し反発するのですが要するにトランプ大統領の基本としては米国内で法人税を下げ、持続的大規模に財政出動して圧倒的インフラ投資をしているのだから工場も米国回帰せよという米国ファーストを実践しているということになるのでしょう。
実際米国回帰している企業も多くそれが米国人雇用につながっていくという相乗効果ももたらしていることはご承知の通りですね。
米国経済への影響
米国市場はこの材料で反落したということにされていますが基本的に相場の材料としては複合的に絡んでいくものであり一理、きっかけとなったとは言えるとしても特定の一つの材料だけで動くというわけではありません。
そして個人的にはメキシコへの関税問題に関しての米国経済への影響は軽微であるという立場ですね。
米国とメキシコとの関係は他国と比して確かに深いものがありますが、米国経済全体を深刻な状況にするような影響力はありません。
メキシコのGDPは1兆ドル強、それに対して米国のGDPは20兆ドル程度です。
米中関係の方がよほど米国にとっては重要であり影響があるのは明らかなのです。
米国市場のチャートを見る
いずれにせよ私はあまりあれこれ理由を事象によって説明しようとすることをしません。
それよりもチャートを見続ける方が良いのではないだろうかという考えを持っておりそれだけを常にしてきてこの世界の時代の流れも概ね適切に読んできました。
そのNYDOWの週足チャートですが52週線を死守する形で急反発している現在ということになります。
常に米国市場はこの52週線というものを意識して時にマスメディアが騒ぎ出す200週移動平均線にタッチするような調整も起こしながらも最終的には52週線より上で推移し続けてここまで来ています。
いちいち材料に反応している辺りは目先の市場らしい動きとも言えますし、一昨年の急角度の上昇トレンド形成が相変わらず影響し続けているとも言えますが、やはり底堅いねという印象を私は今回も持ったということになります。
このまま上昇トレンドを維持した形での高値揉み合いを続けるのかそれとも力強く歴史上最高値更新をいよいよ始めて来るのかはたまた上昇トレンドを完全に崩して本格的な調整局面に入ってしまうのかすべては米中貿易協議の行方にかかっているという私の意見は基本変わりませんが、ここにきてFRBの利下げという新しいペーストが入ってきましたのでこちらも注視する必要があるでしょう。
FRBの動向
FRBが利下げすべきかどうかといった点においては私は現状ではそういう段階にはないと思いますが、トランプ大統領が盛んに圧力をかけて公言しておりその影響もあるのかないのか利下げ観測記事も出てくるようになっています。
実際それを実践するとなるならそういう情勢になってしまった場合であるならよいのですが現状の情勢においてやってしまうと間違った金融政策ということになります。
ただし株式市場という一点においてはプラス材料となりバブル相場を形成する可能性が生じてくるでしょう。
為替としてはドル安が一気に進む可能性が生じます。
それは相場師としては収益機会となるので淡々と実践するだけのことなのですが、米国経済にとってはあまりよろしくない過熱を市場に生み出してしまうということになります。
トランプ大統領のリーダーシップは凄まじいものがあり私も米国内経済政策に関しては圧倒的評価をしているのですが、足るを知るということを認識しないと対外政策や金融政策を誤った方向性に進ませてしまう危険性があるでしょう。
彼自身の大統領選挙における再選のためにもここは上手く乗り切ってほしいですし、FRBへの口出しは基本的に控えた方がよろしいでしょう。(とはいっても止めることはないでしょうが・・・)
相場師としては
最後までお読みいただきありがとうございました。
米国市場は相変わらず底堅い。
私の最新の相場に対する思考はこういう結論となっております。
これからも節目が来るたびに最新の思考を相場日記においては吐露していくつもりですが最後に大事なことを述べておかねばなりません。
相場師としてはこの私の思考も含めて一切を排除し、市場の考えに従わねばなりません。
なんとまあ圧倒的自己否定の元も子もない発言ですが相場師としての思考はいつも頭を真っ白にした上で取り組む姿勢を維持する必要があるのです。
大事なことは私の思考が的中するしないではなくめまぐるしく変わる最新思考を上書き保存しながらも行うべき実践はプログラム通りに淡々と遂行するといった考える私と実践する私を区別するといった対処なのです。
このことに関してももっと詳しく述べる機会もあるでしょうがそれはまた次の機会ということで、まずは今日も相場を適切に張っていきましょう。