下げたら買い上げたら売ると確かに理論上は儲かります。
これは商売の鉄則です。
いかに安く商品を仕入れ、いかに高く商品を捌くかが利益を極大化するための基本策だからですね。
この当たり前の商売の大原則が相場では圧倒的危険性をもたらします。
ここが分からずに相場の世界に飛び込む世間に毒された商売の基本原則思考で売買をしてしまう人たちが後を絶ちません。
今日はこのことをじっくりと考えてみたいと思います。
下げたら買いのトリック
下げたら買いである。
と、述べたときにこれだけでは言葉足らずであることが誤解を与えてしまう主因です。
株価が下げたら買いである、つまり株価が安いときに買わなければ高くなったときに売ってもたいして儲からないという含意があるということに気をつけなければなりません。
しかし問題は下げたら買いの下げたらの部分です。
株価が下げるということはどういう状況なのか?
これをすっかり忘れてしまいただ株価が下げれば買いだとしてしまい一昔前の株価からずいぶんと下がったから割安だとして買ってしまう投資家が後を絶たないのです。
定価の90%引きのバーゲンセールです、今買うしかないと煽られて必要のない物を買ってしまう人と同様なのです。
確かに安く物を買えたものの使うことなく物置行きとなってしまって結局は安物買いの銭失いといったことわざに当てはまってしまう行動となってしまうのです。
この下げたら買いのトリックに気づかねばなりません。
上げたら売るの注意点
上げたら売りである。
これは確かにその通りです。
株価が上がれば上がるほど急落リスクが高まっていくことは間違いないことだからです。
例外的に休む間もなく圧倒的上昇をもたらす銘柄もあるのですが、大抵はある程度したら調整局面が生じるのが普通であり、故に押し目買いという言葉を生まれているわけですね。
ですから上がっている間に、上がるのが止まったら買い保有しているポジションは適宜売る必要があります。
ただし空売りの場合は別です。こちらは株価が下げたら買いのトリックと同様です。
オークションでこのくらいの値段で成立するだろうと思われた商品が限定品で人気化し次々と値が吊り上げられて実際の価値に見合わない高嶺の花価格へと旅立ってしまうといったリスクに注意しなければなりません。
誤解を与える逆張り手法
株価に逆らって張っていくという印象を持たれている逆張り手法があります。
確かに優位性のある逆張り手法は多数あります。
その基本は異常乖離収束なのですが、この手法が見た目下げたら買い上げたら売る手法のように見えるために多くの投資家たちに誤解を与えやすくなっています。
逆張り手法に関しては誤解を与えないように正確に丁寧に言葉を選んで説明しなければなりません。
事実は下げたら買い上げたら売る手法という表現では言葉足らずなのです。
正解は次のような表現となります。
上げる確率が高いタイミングとなる異常乖離となっている株価で買い、下げる確率が高いタイミングとなる異常乖離となっている株価で空売る。
これが逆張りにおける仕掛けにおける基本となります。
ただ株価が下げれば買えるわけではなくただ株価が上がれば売れるわけではないのですね。
この辺のところを誤解して曲解してしまうと、下げたら買い上げたら売りの危険性を高めてしまいます。
仕掛け後順行しなければ利益は決して出ない
下げたら買い上げたら売りという思考を強く持ってしまっている投資家が忘れていることがあります。
それを私が丁寧に言葉を選んでお教えしたいと思います。
下げたら買ってもあなたが買った後上がらなければ利益は出ないのです。
上げたら空売ってもあなたが空売った後下がらなければ利益は出ないのです。
そして下げているということは売り優勢ということでありそれが継続する確率は基本的には高いのです。
そして上げているということは買い優勢ということでありそれが継続する確率は基本的には高いのです。
逆張りはその確率が逆転する、売り優勢が買い優勢に買い優勢が売り優勢に転換する確率が高いだろうと思われるタイミングを正確に計っていく必要性があるということになります。
忘れてはいけないことは仕掛け後順行、つまり自分の仕掛けた方向性へと株価が動かなければ利益は決して出ないということです。
株価の値は問題ではない
最後までお読みいただきありがとうございました。
下げたら買い上げたら売るといった思考をしている投資家は株価の値というものを過剰にも気にしているということになります。
500円の株価が250円になったとしてそれが半値になったことを重視してずいぶんと安くなったから買いであるとしてしまいます。
しかし大事なことはそういうことではなく500円の株価が250円になる課程です。
どのくらいの時間がかかったのか?
どのような変遷となっているのか?
このようなことを注意深く分析して売買をしていく必要があるのです。
株価の値は問題ではないということに気づいてください。
下げたら買い上げたら売るの危険性は常に売買の適切性を忘れてしまうことにあるのですね。