私の相場師としての勝率は僅か2割です。
私の計画以上に事が成る確率は2割しかないということになります。
しかし何十年と相場を張り続けてきて生き残り続けてきました。
生き残り続けただけではなくこの間のどこの一年を切り取っても総資産がマイナスになったことはありません。
この継続性は勝率2割であることこそが鍵であると考えています。
今日はこのことを考えてみましょう。
勝率2割の意味
勝率9割の必勝法。
相場の世界ではこんな甘言が至る所で飛び交っています。
しかしこの言葉はトリックです。
私だって勝率9割にすることなど容易です。
もっとも簡単な方法は損大利小に徹すれば良いのです。
利益は小幅でも迅速に確定しながら含み損はいつまででも含み益に転換するまで待ち続ければ勝率は限りなく100%に近づきます。
ここ10年は長期的に上昇するだけの非常に容易な相場環境となっていますのでこういうことが意外と通用しているので困ったものです。
従って勝率2割だと私が述べると馬鹿にされることがほとんどですね。
本当にプロなのか?
私は片手間投資の素人だけどもっと勝率高いぞ?
そう揶揄されてしまいます。
厳しい相場環境というものを体験していない相場経験の若い人たちは最近10年の圧倒的易しい相場しか経験していないので大体が増長しており、傲慢となってプロの私に対しても平気でこんなことを述べるわけです。
それに対して私は別段怒ることもなく困ったような笑顔を返すだけなのですが、それは相場の酸いも甘いも知っているのであらゆる相場局面を一通り経験することにならない限り、私の気持ちが理解できることはないということを分かっているからです。
私が確立しているのはどんな相場付きであってもしっかりと利益を出し続けるというプロとしての仕事です。
一過性ではありません。
一過性と言っても相場では10年くらい軽く過ぎていきますのでその間に確実に多くの偽物たちが誕生し続けてしまうのもまたお決まりのコースです。
不動産バブルのときもカリスマ投資家だらけになりましたからね。
でもその後の経過は言うまでもない話です。
結局生き残るのは上昇相場であれ下落相場であれ横ばい相場であれ一貫して収益を上げ続けることが出来ている投資家だけなのです。
それ以外は大利を出したり大損を出したり、いずれにせよアップダウン激しく資産推移をしていきながら最終的にはそのときの相場環境次第ということになる生涯を送ります。
それはプロフェッショナルではないのですね。
そしてその継続性というものをもたらすための勝率2割ということの意味はとても大きなものであるということを私を揶揄する人たちは全く分かっていないのです。
相場は何事も起こり得るということの本質
相場は何事も起こり得ます。
新しいところではコロナパニックショックなどありましたね。
驚愕的なところでは東日本大震災における東電ショックですね。
圧倒的優良株配当株として東京電力株は当時君臨していたわけですが、この優良株に投資していた多くの安全投資だと思っていた投資家たちが株価大暴落、無配転落の憂き目にあい、全くのクズ銘柄塩漬け保有投資家に成り果ててしまったのです。
相場師であれば仮にこういう予期せぬ事態になっても自動的に損切りされたでしょうが、こういった配当投資を目論む投資家たちは長期投資が主ですから予期せぬ事態に機敏に見切ることは出来なかったでしょう。
ここは仕方がないことですがここで初めてこういう投資家たちも相場は何事も起こり得るということを理解したというわけですね。
相場は何事も起こり得るということの本質は結局どんなときも全取引において迅速かつ適切な損切り見切りが出来る体制が毎日整っているということなのです。
勝率二割の優位性
勝率二割の優位性と題しましたが、二割という数字そのものには特に意味はありません。
一割でも三割でも良いのです。
要するに低勝率であるということですね。
低勝率であるということは日々相場を張っている中での結果という意味では精神的に苦しい状況が継続しているということを意味しています。
誰でも相場を張って負け続けたいとは思いませんし、勝ち続けたいですからね。
しかし私は総合的勝利を目指す上で敢えて高勝率な精神的に楽な手法ではなく低勝率な精神的に苦しい手法を選択することで今日まで生き残り続けることが出来たと考えています。
ここに勝率二割の優位性があります。
それは経験的に見切りに躊躇が無くなるということです。
この精神の確立が圧倒的な予期せぬ事態において圧倒的な優位性を発揮するのです。
長期投資家より長期的視点で相場をみている
私は短期売買をしている相場師ですから常に短期的視点で相場を見ているのだろうと考えている人たちがほとんどです。
しかし実際には長期投資家より長期的視点で相場をみています。
もちろん相場の将来どうなるかの話ではありません。
相場師としての自分自身の相場を張るということに対して生涯相場を張り続けるという最大の長期的視点でみて相場を日々張っているということです。
長期投資家という人たちは実は長期的視点で相場を見ていないことが多いのです。
それは東電株の例を出すまでもなく、要するに長期では常に予期せぬ事態が起きる確率が長期になればなるほど高確率になるということを理解していないかのような長期投資となっているからです。
理解しているならやはり長期投資であれ損切りしなければならない瞬間にしっかりと損切りできなければならないのです。
私の場合はその点においてそれが毎日の実践経験を積み続けているのでより洗練されて習慣化されてその実践に何の躊躇もなくなっていくことで長期的リスクが完全に排除されてしまっているということなのです。
この生涯相場を張り続けることといった長期的視点における圧倒的優位性を確保出来ていることがとても大事なのです。
勝率二割の覚悟
最後までお読みいただきありがとうございました。
結局は覚悟を決めて最大リスクを排除しているということですね。
勝率二割の覚悟とは日々の有耶無耶とした自分の思い通りに一向にならないのに淡々と適切に売買実践継続していくといったことに対しての忍耐と言えるでしょう。
これがどうしても出来ない人はいてそういう性格の人はもちろん止めた方がいいですし、もっと勝率が高いやりやすい手法もありますからそれを選択すれば良いのですが、大事なことは私の手法が良い悪いではなくて何かを得るためには何かを失わなければならないということですね。
私の場合は長期的予期せぬリスクを排して圧倒的総合的大利を得る代償として日々の損切り見切りの嵐の精神的苦痛を忍耐するということを選択しているわけです。
銘柄選択なんてどうでもいい選択なのです。
大事なことはあなた自身が何を得ようとしその代償として何を失うことを覚悟するのか?
それだけがすべての投資家一人一人に今日も問われている命題なのです。