今回の参議院選挙の結果は残念な結果ということに個人的にはなったわけですがその中で参議院選挙後政党要件を満たした新党が二党現れて脚光を浴びています。
それぞれ党首が個性的なカリスマ性のある人物であり賛否両論をもたらす話題性があり思考も面白いものがあります。
私個人は何にも誰にも期待できない期待しないといった冷めた目を相変わらず持っている訳なのですがしかしそれは何も思考しないということではなく最初から駄目だとして排除しようとするものでもなく単純にそういった新党が出てきては消え出てきては消えの繰り返しを経験し続けることによってそして新党ではなく自民党だが党内野党ながら二回目の総理大臣を成し遂げた安倍政権に対しての失望によってかなり疲れてしまったというのがあります。
しかし時代は進んでいきますし、若い世代の方々にとっては将来まだまだ長い時間この国で生きていかねばなりませんので誰かに頼りたい期待したいと思うのは当然の話です。私にとっては何度も繰り返された期待と失望の連鎖であっても彼ら彼女らにとっては初めての体験であるかもしれずそういう人たちの想いが今回は本当に醸成すればよいねという気持ちは持っております。
従ってこの新党について私なりの考えを提示して支持する方も疑いの眼で見ている方も何らかの参考になればよいと考え記述してみることに致します。
れいわ新撰組
まず一つ目の党は山本太郎代表による日本維新の会を意識したのか明治政府にとっては敵集団となる体制側の番人であった新撰組を令和時代において標榜するといった体となるれいわ新撰組です。
名称はまあ正直なところどうでもいい話です。それよりも中身ですね。
経済政策に関しては消費税を廃止すると述べています。その代わりとして所得税の累進課税を昔のようにきつくして最高税率を高める、株式分離課税を総合課税化する、法人税の累進課税を導入するといった大胆な政策を提唱しています。
個人的には株式分離課税の総合課税化によってさらに増税となるということになりますが、消費税を廃止する場合は当然ながら一時的にせよ税収は急減しますのでその埋め合わせを早急に行わなければならずそのためには所得税の仕組みを簡素化して各種資産すべて総合課税化してまとめてその総合額で課税額を決めるのは分かりやすくて良いと思いますので賛成です。ただ日本人は意外と株というものをやっている人は少ないので全体的にはそれほど大きな税収増にはならないだろうとは思います。
故にそれだけでは足りないということで法人税の累進課税導入によって稼ぐ企業ほど高い税率を払うという方式を考え出したということなのでしょう。
こちらは何とも言えませんね。
確かに大企業から儲かっている企業からより多くの税金を取るということは悪くはないように見えるのですが、いわゆる企業論理といった視点から考えると儲かっているところはさらに儲ける投資をする確率が高く儲かっていないところは儲からないから投資をしないからさらに儲からないということになりやすいというものがあります。民間企業というのは基本弱肉強食の世界ですので利潤を出す投資が出来ない企業は淘汰されていきますので税収という意味ではいかに税金を多く払い続けてくれる企業を維持していくのかといった考えも大事となるからです。
儲かる企業から累進で税を取り、儲からない企業からあまり取らずに支えるということは過剰にやってしまうと結局全体的総合的には税収に大貢献する企業のさらなる儲かるところへの投資資金を奪い、税収にほとんど貢献しない企業を守るといった人間としては正しい弱者救済型に過ぎることによって税収が全体的に減っていく方向性に進むリスクが生じてくるということですね。
この辺の案配を上手く調節しなければならなくなるという意味で手放しに賛成することは出来ないということになります。
私はそれよりも財政拡大に重きを置くべきだろうと思います。
そしてそのことも山本氏は仰っており、新規国債発行などによって累積財政赤字など気にすることなく行うべしとしています。
これは大賛成ですね。ここに集中して行うことが何よりも大事かと思われます。
具体的な数字が出ていないのが残念ですが私は10兆円規模で10年間毎年継続的に行い続けることを決定すべしとこのブログにおいても述べており山本氏が具体的数字を出すのを期待したいと思います。
もちろんこれを決定し実行していく中で目出度くデフレ脱却しインフレ目標2%達成どころかそれを超えてインフレ過熱するようなら計画変更すればよいと思いますが私はこの程度をやり続けてもデフレ脱却するのがやっとという程度とみています。ハイパーインフレになるなどという戯れ言は論外ですね。その前に何段階もの兆候が見えますのでそれを無視して財政拡大をさらにしてしまうということはあり得ないということになります。
今やるべき経済政策は政治家としては本当にやりやすい国民受けする弱者救済となる各種減税や財政拡大による富めるものも貧しきものも誰もが使う土木のみならず教育、介護、保育等々のインフラ投資なのでこういうことを述べる政治家が山本氏くらいであるという現状は本当に不思議でならないというところなのです。
大人な意見と称するものを代弁するならポピュリズムではない、大衆迎合していない大人な政治家、大衆より経済がわかっていると思っている政治家達で占められているということになるのですが、実際はデフレ脱却20年以上できていない成長も出来ない少子高齢化が進む衰退経済国家といった現状をこういうよく経済がわかっているはずの政治家達が作ってきたわけであり、この平成時代の結果を踏まえて山本氏の言動を持ってヒトラーと同じポピュリズムと断罪するのは早計のように私には思えますね。
私は大衆迎合の政治家が出てきたというより政治家の大衆化が著しいと見ています。それがここまでの酷い政治結果を生んでおり、こちらはまさに政治の衰退に繋がっていることは間違いないでしょうね。
さて敢えて外したのですが、山本氏はただのポピュリズム、大衆迎合主義ではなく左翼ポピュリズムと言われています。
こちらの左翼という部分は言い得て妙だと私は考えており、現段階において私とは完全に真逆の思想の持ち主とみています。
山本氏が個人的にどこまで思想を醸成なされているかは定かではないですが、少なくとも彼の今までやってきた言動を見ている限りにおいては明らかに左翼ですね。
もちろん左翼だから悪いというわけではなく私とは正反対の思想故に経済政策が一致点が多いと言っても手放しで喜べないというところでしょう。そして日本の左翼は反日的であることが大問題なのです。
彼の政治思想におけるブレーンにも右寄りな私から見ると懐かしき徹底した反日思想の持ち主である名前が出ておりますのでそういう方々の影響をどの程度受けているかどうかということはありますが、山本氏がどこまでこのことを理解しているのか、いわゆる戦略的に使いこなしているだけで使い捨てるだけの人間的度量があるのかどうかといったあたりは非常に注意しなければならない点ということになりましょう。
思想対経済と題して私はこのブログでも述べましたが確かに私は個人的思想の一般化よりも全体的な経済発展に重きを置く人間ではありますが、真逆な思想を持つ人物が背後に見え隠れしているというところを注視したときに富国したが反日だったということになるリスクというものを老婆心ながら述べておきたいと思います。
山本氏を見ている限り未だいろいろなことを勉強中であり、多くの識者から話を聞いて取り入れている段階のように見え、これからもかなりの修正が思想的にも政策的にもありそうではあるのでこの点は多少の希望を持っても良いとは思うのですが、いずれにせよこの反日左翼思想というものを見切れるかどうかといったところが彼の最大のリスクということになるでしょうね。
彼自身が吐く言葉の中には市民のためというような左翼がよく使う言葉だけではなく国益のためといった反日左翼ではあり得ない言葉も含まれていますのでまだ政治思想として確固としたものが確立していないように見受けられますのでこれから多くの政治思想に触れて反日的な思想はそのまま鵜呑みにせずに改善消去していって欲しいと思います。それが出来れば本当に多くの国民から支持される愛国左翼政党となり得る可能性があるでしょう。
NHKから国民を守る党
もう一つは小学生にも話題の一発芸NHKをぶっ壊すというワンイシュー、一つの政策課題だけを提示して参議院選挙を戦い、見事一議席獲得した立花孝志氏率いるNHKから国民を守る党ですね。
こちらは基本的には元NHK職員である立花氏のカリスマ性に頼った彼次第でどうとでもなる党という感じですね。
主張はNHKのスクランブル化、ということのようですが彼はYOUTUBERでもあり彼の動画を全てではないですがある程度きちんと拝見した上で私の意見を述べると基本的にはNHKをぶっ壊すのではなくそしてNHK放送を必ずすべてをスクランブル化すべきということでもなく、NHK集金人がNHKを見ない人にまで放送法で定められているとして視聴料を払わせようと暴力団まがいのやり方さえして徴収されて恐怖している困っている人たちをいなくするようなNHK改革をしたいということが主題であるというように理解しました。
放送法の改正、まずは衛星放送部分にスクランブル化等々、とにもかくにもNHK放送を見たい人はお金を払って視聴し、見たくない人はお金を払わずに済み、NHK集金人が戸別訪問して集金しなくてすむような状態にしていくならどのようなNHKの体制でも構わないと考えていらっしゃるようですね。
私個人はNHKを見ておりますし視聴料も自動引き落としであり問答無用で払い続けておりNHK集金人が来ることもないNHKにとっては都合のよい国民ということなのでしょうね。
しかし立花氏のYOUTUBEに挙げられている動画などを拝見していると吉本興業同様とてもまともな組織とは思えない杜撰な顧客対応をしていることが見受けられ、やはり楽して儲かる真剣な営業をかけなくても自動的に利益が出てしまう会社というものはここまで堕落するものなのだなと改めて理解できるような状態のようです。
あくまでNHKは公共放送ですから株主ではないですが、そこに当たる人たちは我々一人一人の国民です。従って国民がNHKに対してどういう風にすべきかを決める権利があり、一部であってもそういうNHK集金人に苦しんでおられる国民がおられるならそういう人がいなくなるようにNHKの制度改革をするのは当然と言えましょう。
そういう意味で私はNHKから国民を守る党のたった一つの公約であるNHK集金人が集金をする必要がなくなるNHK改革をするということは大賛成ということになります。
ぜひともそのたった一つの公約の実現へ向けて10年くらいかけて頑張ってほしいと思いますね。NHKと政権与党との関係はズブズブ状態ですから難解なミッションだと思いますが幸いワンイシュー政党なのですからそこに集中することが出来ますのであれもこれもとやって何もできない政党よりは可能性があると思われます。
さて、この党に関してはもう一つ、ワンイシューに関しての批判があります。
国政においては様々な政策課題がありそういったものに対してはどうするのか、そこに公約が何もないのはおかしいという旧来的な意見ですね。
こちらに関しては私は論外と考えています。
すべての分野でこうするああすると公約したところで何も実現できていない党は過去も現在もいくらでも存在しており、多くの国民にとって公約などあってないものだと気づいています。
第二次安倍政権発足前の安倍総理の掲げた公約と現在までに実践なさった政策群を見比べればその圧倒的乖離があることを見てもこのことは容易に理解できます。
そういう点において立花氏の主張におけるNHK改革以外の議題に関しては棄権する、判断しないといったことは非常に面白いと私は思いますね。
まさに出来ることだけに集中する、公約をまさに実現するべく一つに絞るといったことは少数政党ですし合理的な戦略のように見えます。
そして立花氏によれば将来的には放棄するわけではなく直接民主制、インターネットを使った投票によって判断する、つまり国会議員は投票するだけのロボットになると主張しているわけですが、こちらは大きな危険性があります。
直接民主制の最大の欠点はいわゆるより感情的主観的な判断となりやすく、いわゆる空気に流されやすいものとなるということです。
立花氏のこのことに関しての反論は今よりはましでしょうということになるのですが、確かに現在間接民主制によって行われた政策群はとても日本国民のことを考えたものではなく、国益に沿わない国益を害する政策も各種通っており果たして政治経済エリート専門家と称した方々の集まりが日本国民のため国益に沿う政策が遂行出来るのかといったことに関して疑問が生じており、ここは批判していかねばならず一理あるように思えるのですが、ただそれを国民の総意、しかもネット上での投票で決めてしまうということになってそれがよりましになるかといえばそれは定かではありません。
大衆ほど移ろいやすいものはなく、判断がより悪化する可能性が高いものはありません。よりよく知っていれば正しい判断が下せるわけではないということは現在の専門家と称する方々がやっていることを見ればわかるのですが、逆に知らなければ正しい判断が下せるわけでもないということもまた認識しておかねばならないということになります。
あらゆる政策課題でそうなるというわけでもないのですが今よりましになるかどうはやってみなければわからないということになるでしょうね。
プロの相場師として彼を見たときに注目する点は彼がNHKを止めた後パチプロとして結果を出し続けていたという点ですね。
つまり恐らくは彼は確率的思考をマスターしていると思われ、実際パチンコもプロ、実践継続して稼ぎ続けることが出来る人というのは極々少数派なのですが確率的思考である必要があり、その思考で選挙戦も戦っていただろうという意味ではいかにして期待値がプラスのことを一時的マイナスに見えることがあろうともやりつづけるかという精神面の確立が大事となってくるので相当なメンタルタフネスな方と予測され多数派である一般大衆視点からは異常者のように一見見えるかもしれませんが、内実は冷徹に客観的な合理的判断で政治活動をしていって結果を出す可能性はあると見ています。
人間性や人格、好き嫌いで主に判断する人が多い政治の世界では異色の存在になるでしょうね。
新党の課題
最後までお読みいただきありがとうございました。
現在脚光を浴びている二党ですが、いわゆるインターネット世代を中心に育ってきた新しい政党と考えることも可能でしょう。
ただこういった新党の課題は常に昔から変わらず、勢力拡大です。
勢力拡大が網羅的急進的であればあるほど内部対立が生じやすくなり、分裂可能性が高まります。
そして組織というものはある程度の期間を使って少しずつ醸成していくものなのでそういう点でそういう党が自民党しかないというのは戦後日本の悲劇ではあるのですが、そして悲劇ではあるのですが日本らしいとも言え、ダイナミックな政権交代ではなく自民党内における与党野党勢力が意見を戦わせて醸成し出来得る限りよりよき意見にまとめて政策を作り遂行していくといったある意味では自民党内政権交代をしてきたとも言えるのですね。
それ故に新党が生まれてある程度躍進しても自民党を覆すほどの圧倒的勢力にはなかなかなり得ないという状況が生まれてさらに元自民党が多くいたとはいえ初めて政権交代が実現して国民の大いなる期待を抱かれた政権が酷いものとなってしまったという国民自身の自己反省もあり、新党への大きな期待というものが生まれにくくなっている現状があります。
れいわ新撰組、そしてNHKから国民を守る党、この新党がそれぞれどういう戦略で党勢を拡大し、自民党を脅かす存在にまでなれるのかどうか、これは次の衆議院選挙、さらに次の参議院選挙と令和時代におけるこれからの選挙によって次第に見えてくるということになるのでしょう。
新党同士で対立して互いに票を奪い合うといったことになればそれは政権与党にとっての漁夫の利ということになり、また期待がしばらく萎んでしまうということなります。
これからどうなっていくのか私にはもちろん皆目見当がつきませんが、それぞれ個性的なカリスマ性を持った党首がおられますのでこれからの言動には注目していきたいと思います。