手痛い損失を被った銘柄というものはもう見たくもないというようになるのが多くの投資家たちの共通点のようですね。
実際銘柄選択から最初から除外して見向きもしなくなる投資家も多いです。
しかしそれは大いなる錯覚をしているようです。
今日はこのことを考えてみたいと思います。
あなたは何を思うか?
手痛い損失を被った銘柄に対してあなたは何を思いますか?
仮にもう一度手がけるとしたら同じことを繰り返してまた手痛い損失を被ることになるのではないだろうかと思いますか?
そもそもこんな酷い銘柄、金輪際手がけたくないと思いますか?
逆に大利を得た銘柄に対してあなたは何を思いますか?
仮にもう一度手がけるとしたら喜んで手がけ、またもや大利を得られることになるはずだと確信するでしょうか?
すべて錯覚です
残念なことですがこれらの思いはすべて錯覚です。
手痛い損失を被った銘柄だとしても次の売買において再び手痛い損失を被るかどうかは別に確率が高まることではありません。
大利を出した銘柄だとしても次の売買で同じように大利を出せるかどうかは別に確率が高まるわけではありません。
そこに相関関係は全くないのです。
体験の作用
人間は体験したことに対して強い印象、感情を抱いた事象ほど強く記憶に残りそれ以後の行動に大きく影響を与えて関連づけてしまう傾向があります。
取引の前後で、それがたとえ同じ銘柄だとしてもその成否において相関関係は全くないのです。
しかし大失敗体験をしてしまった過去というものが大きくその投資家の心に印象づけられてこの銘柄は自分にとって最悪なものだと偏りをかけて認識してしまうのです。
この辺の心理状態が相場を張る上で大きく影響してきてしまうのですね。
取引前後でいかに心を分断するか
取引していく上で直前直後の取引をいかに分断して思考するか、このあたりに相場で成功し続けるための鍵がありそうです。
いかにしてそれを実現すればよいのでしょうか?
私はまず間を置くことをお勧めしています。
一呼吸置くということですね。
予期せぬ衝撃的出来事によって酷い結果を被ってしまったらとりあえず次の取引を仕掛けることは適切なタイミングだと思ったとしても止めるということです。
思った以上に自分自身に強い精神的なストレスを与えてしまっていることは多く、それに気づかぬままに次の取引へ進むことは非常にリスクが高まってしまいます。
次に取引の反省
心苦しいことではありますが、大失敗した取引は見たくもないかもしれませんがきっちりと反省分析することが大切です。
自分がなるほどこういう理由でこういうことを犯してしまったのだという自分が納得する回答をしっかりと探し出してください。
取引の反省をきちんとして一定の納得をするという課程を丁寧に踏むことによってその衝撃は多少薄まります。
そして忘却作業
確かにこの銘柄の今回の取引では大失敗してしまいました。しかしそれはこの銘柄が悪かったのでしょうか?
そんなことはありません。
すでに取引の反省をしたあなたは自分が納得する失敗理由は出たはずです。
それを改善すればまたこの銘柄で改善した状況で適切なタイミングで仕掛ければそれは正しいということになるはずです。
つまり結果は結果として出てしまったことであり例えばとある銘柄を底値で投げ売りして大損してしまっても再びの適切なタイミングがあるならその銘柄を仕掛けることに躊躇する必要はないということになります。
過去の結果は忘れてしまってよいということです。
次の適切な機会がたとえまた同じ銘柄であったとしても淡々と実践すべきであるということになります。
この過程を一つ一つ丁寧に自問自答していくと良いでしょう。
錯覚は気づきにくいもの
最後までお読みいただきありがとうございました。
人間は錯覚しやすいものです。
実際人間関係などにおいても見かけや言動によってこの人はこうであると錯覚してしまうことも多々あります。
本当は錯覚であるのですが錯覚したその本人は錯覚とは気づかずに印象強く残れば残るほどそれがその人そのものであると誤解してしまうものなのです。
すべての取引間においてその成否に相関関係はないということを理解しましょう。
大損には落胆してしまいます。大利には増長してしまいます。
しかしそれは次の取引でも同じことが起こることが保証されているわけではないということを強く認識しておかねばなりません。
錯覚は気づきにくいものであるが故に対処が難しいものですが、日頃から常に自己を疑う姿勢を身につけて丁寧に自己分析できるように心がけるとよいでしょう。