投資家にとって一番大事なことは何でしょうか?
多くは銘柄選択だと答えます。
少し賢くなると売買手法だと答えるようになります。
さらに洗練されてくると資金管理だと答えられます。
そして私翁はもちろん昨今話題のメンタリストとは違う相場におけるメンタリスト、投資家の心の姿勢の有り様が何よりも大事だと考えている故に、投資家の心が一番大事だと答えます。
これらはそれぞれまあ一理あることが勢揃いなのですがさらに一歩加えて相場で生き残り続けるために一番大事なことは何かということを今日は考えてみたいと思います。
逃げることである
いきなり結論から入りました。
そう相場で生き残り続けるために一番大事なことは問答無用で逃げることである。ということになります。
逃げることは人生においてもときに必要な局面はありますが、この世は結局争わねばならない世界であり、生存競争はもちろんのこと、幼き子供のころから受験戦争があり、就職戦争があり、どうであれ誰かは目的を達し誰かは目的を達せずにそれが生涯繰り返され続けて最後は皆死んでいきますので基本的には逃げることなく立ち向かって挑戦し続けるしかありません。
しかし相場では逃げることは絶対的にやらねばならない必須事項です。
逃げなければ確実に自己破綻する局面が生じます。
ですから逃げることが一番大事なのです。
相場における逃げるとは
では相場における逃げるとは何のことでしょうか。
もちろんお分かりのことでしょう。
そう、一切合切ポジションを手仕舞ってすべてキャッシュポジションにするということです。
これが出来ない投資家はあまりにあまりに多いですね。
惰性でポジションを維持し続けるということが往々にして良くあるのです。
もちろん含み益状態であり将来における企業成長も存分に期待できる銘柄のポジションを保有しているならこれからそのポジションを維持し続けることによって資産増殖する確率が高いという意味で問題ないのですが、多くはそういう適切な思考でポジションを維持していないのです。
大抵は損切りすることが出来なかった、逃げ遅れてしまった、待てば海路の日和ありとしてポジションを維持しているのです。
相場における逃げるとは個々の取引においても不適切な局面になったときに逃げることも大事ですが、もちろん相場環境の大転換においても、あなたの資金管理上リスクが高まったときも同様に迅速に逃げる、手仕舞わなければならないということです。
私翁の心理
私翁は日々迅速な損切りをこなしていますから圧倒的経験を積んでいるわけですね。
逃げる経験を圧倒的に積んでいるというのは人生という意味では情けない限りですが、相場においては総資産を高確率で守ることになります。
この私翁の心理を考えてみると理解が深まるかと思います。
私はいつも上がるものを買い下がるものを空売っています。
含み損のポジションは即見切り、含み益のポジションは保持し、含み益が拡大し続ける限り保有します。
細かく行けばもう少し微妙な匙加減はありますが、基本的にはこれを毎日やっているだけです。
その結果もたらされるものはほぼ完ぺきとなる損失限定ですね。
これは最大なるメリットなわけですがそれだけを強調して自己正当化を計るどこぞの評論家のような翁ではありません。
デメリットとしては少なからずの逸失利益を生じ、かつ大きな割合で思うように行かなかった不快となる細かい損失が連続します。
もう少し保有していればもっと大きな利益となった、損切りした途端に順行して悔しい想いをした。
こういった不快な経験を日々繰り返すということですね。
私翁はこの心理状態を常に維持しながらそれでも迅速に逃げ続けているわけです。
ここをしっかりと理解してください。
自分の心に引きずられない
自分の心に引きずられない精神を確立することが大事です。
相場では常に自分の思い通りになりません。
従って不快感、不満、怒り等々様々な感情が起伏します。
その各種感情に影響されてあなたの心が引きずられ、特定取引や特定銘柄へのこだわりや間違うことへの恐怖から来る仕掛けへの躊躇、復讐心による焦燥感による損失をいち早く取り戻したいといったような誤った行動を犯してしまいます。
このような状況にならないためには結果論を語らないことです。
結果論で語るとはとある銘柄をとあるタイミングでこのくらいの資金で売買していたらこれだけの利益が出ていた損失が避けられたといったようなことを考えるということです。
こういう思考では自分の心に引きずられない精神を確立することが出来ません。
ですから結果論を語るのではなく、ただただ逃げること。
間違ったと思ったら結果がどうであれ問答無用で見切ることを実践継続することだけをただただ日々行動することです。
ここに集中してください。
その集中によって自分の心に引きずられない精神確立が誘われます。
投資家にとって一番大事なこと
最後までお読みいただきありがとうございました。
相場は何事も起こり得る世界です。
いつあなたのポジションが圧倒的逆行となってしまう事態になるか分かりません。
故にそのような状況になっても対処できる方策を日ごろから考えておく必要があるのです。
そしてそれは常にしっかりと逃げること、このただ一点なのですね。
もう少し待てば、もっともっとではなく、足るを知ることが大事です。
今日述べた投資家にとって一番大事なことをもう一度よく自問自答してください。
巷では今日もあの銘柄がいいこの銘柄がいいばかりなのです。
確かにあの銘柄は良くこの銘柄は素晴らしい結果を生み出す可能性があるかもしれませんね。
しかし問題はそれで投資人生終了ではないということと、悲惨な結果を生み出す可能性も確実にあるということです。
ここまで思い至って投資に挑めるなら逃げることの最重要性は理解でき、実践継続できるはずなのです。
自分なぞ何ほどのものぞ。
このような傲慢でない自信過剰でない謙虚な人間性が必要なのが投資の世界なのです。