この銘柄の株価がこれこれこういう理由で上がるはずである。
そう確信したとある投資家は当然ながらこの銘柄を買い、そして実際に株価が上がると当たったどうだやった凄いだろうと喜び勇みます。
このような投資家は当てもの売買をしているということになります。
しかしこの思考は非常に危険な兆候です。
今日はこのことを考えてみたいと思います。
銘柄を取り上げる意味
いわゆる銘柄情報というものは巷に横行していますね。
テレビでも本や雑誌でも、ブログでもツイッターでもYouTubeでもこの銘柄がどうだあの銘柄がどうだといった情報が蔓延っています。
相場に関する情報として投資家が最も関心を呼ぶのは銘柄です。
圧倒的高成長可能性がある企業であるとか、将来有望な遺伝子治療薬開発をしている企業であるとか、要するに株価がこれから大きく上がっていく可能性が高いだろう銘柄探しのために自分では分からぬ業界分析やその企業の将来予測を分析してくれる情報を求める投資家たちで満ち溢れているということです。
株価が何倍にも何十倍にもなると毎日煽りまくっている専門家と称する素人である煽り屋も横行しています。
この世はすべて需要と供給の関係で成り立っていますから、そのような相場情報が横行しているということはそれを多くの投資家たちが求めているということを裏付けているということになります。
銘柄を取り上げる意味は総じてそうしないと多くの投資家を引き付けることが出来ないからです。
〇〇銘柄は10000円になる素質がある。といった愚かな情報に煽られて飛びつく投資家は今日も相変わらず多いということです。
当てもの売買というもの
こういう多くの投資家たちは当てもの売買をしているのです。
とある銘柄の株価がいくらになるということを当てようとして売買するということです。
自分が買った後株価が上がる銘柄をいかにして当てるかということばかり考えているということになります。
こういった思考の欠点は容易に明らかとなります。
100%当てることは誰にも出来ないからです。
どんなに素晴らしい銘柄選択をしてどんなに素晴らしいドンピシャなタイミングで買えたと思っても株価が下がり続けてしまう銘柄を掴むことは確実にあるからです。
当てもの売買というものはそもそも論として空論であるということを認識しなければなりません。
当てもの売買の心理
もう一つ投資家心理上の弊害が生じます。
とある銘柄の株価が大きく上がっていくといったことに強い固定観念を抱いている投資家はどうしてもそれが実現することに妄信してしまいます。
言い続ければ10年後20年後に当たるかもしれませんね。
しかしその時間的損失はあっても数十年に過ぎない投資家人生において大きなロスとなってしまいます。
目標株価に達する前に上昇トレンドが崩れているのに拘り続けてしまいます。
そこに潜む心理は常に当てたいという欲求があるからです。
何かその銘柄しかなく、ほかに有望銘柄が全くないかのごとくに、自分が厳選してよく調査して選択した銘柄なのだから間違いないはずだと株価がいくら下がっても拘ってしまうのです。
いやむしろ株価が下がるということは有望銘柄がもっと有望になるのであると自己正当化してしまいます。
当てもの売買の心理はこういった固執を生じやすいという意味で非常にリスクのある思考なのです。
いわゆる投資情報なるもので稼ぐ者たちから解放される
有料情報を得れば儲かるようになると誤った考えを持った投資家は依然として多いものです。
情報は常に必要最小限に抑えて適切な売買実践をする上で下手な固定観念を植え付けられない頭の状態を保ち続けねばなりません。
そのためには巷にあるいわゆる投資情報なるもので稼ぐ者たちに決して近づかないことが大事です。
必要最小限な情報というのは証券マンの意見でもなければ投資顧問業を営む人間の意見でもありません。相場評論家にしても証券アナリストにしてもファンドマネージャーにしてもどんなにもっともらしい理屈を述べていたとしてもそれは有害情報です。
そもそもどんな銘柄を選んでどう売買していくのかということに関して他人の意見を採用することほどつまらないことはありませんね。
投資家の醍醐味はそれを自分で考えて行動することだからです。
一番美味しいところをそういった投資情報なるもので稼ぐ者たちから得ようと画策している時点で投資家として生きる覚悟が出来ていない、つまり投資家失格なのです。
ですからいわゆる投資情報なるものをさも重要情報であるかのごとき有料情報として隠し、さもそれがないと儲からない、それを見ると儲かるかのごとき誘惑に屈しないようにしてくださいね。
相場での成功のために銘柄を当てる必要はない
最後までお読みいただきありがとうございました。
結局巷には今日も有料から無料まで貴重な情報であるかのごときどうでもいい相場の真理ではない情報が横行しています。
なぜそういうものが蔓延るかと言うと実際に相場を実践して稼ぐより楽に稼げるからです。
実践家より予想屋の方が楽なのですね。
よく言われることですがこういった情報を今日も流し続けている相場の専門家と自称している日々どんな相場付きであれ上昇相場では当然ながら下落相場であってもきっちりと結果を残し続けている本当のプロフェッショナルではない人たちが本当に儲かる情報を流しているならなぜ自分自身それを実践することに専念せずに他人に情報を流して金を得ようとしているのか?といった疑問を感じるだけで容易に私が述べていることが正しいことが理解できるのです。
そんなに素晴らしい情報ならそれを元にして自ら実践すればよいのですね。
事実は百害あって一利なしの情報ばかりが毎日垂れ流しされていますからそういうものを見て儲かり続けることはありません。
こういったものに関心を持ち、その情報取得に金を出してしまう、毎日見ないではいられない状態になっている投資家は要するに当てもの売買をしているということなのです。
何か良い銘柄を当てなければならないと考えているわけです。
相場での成功のために銘柄を当てる必要はありません。
どんな銘柄であれ適切に売買すれば成功できます。
何度繰り返しても今日もその手の輩が我が物顔で相場解説し銘柄推奨し、株価が何十倍にもなる可能性があると煽り続けていますからそういうものに踊らされる子羊投資家たちが無くならないというのが悲しい現実ですね。
私自身の無力さを感じますが、それでも少しずつ一人でも多く相場の本質を掴みこういった者たちから解放されていくことを期待していくしかないのでしょう。