怒りの作用

独活日記(相場を生き抜くために)

人間だれしも怒ることがあります。

その感情の起伏のきっかけは様々ですが、いずれにせよ怒ります。

相場でも同様です。

相場を張っていて怒りが生じることは頻繁に起こります。

従って怒りの作用をしっかりと認識しておく必要があるのです。

そしてプロの相場師はそれを上手く制御し利用しています。

ですから今日はこのことをじっくりと考えていきましょう。

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怒りの理由

まずは何故人間は怒るのか?といったことを考える必要があります。

基本的には理由なく怒ることはありません。

何か理由があって初めて怒るわけですね。

例えば身近なところで家族に怒るということを考えてみましょう。

その相手が自分の言うことを聞かない、自分がこうあって欲しいというような相手になってくれない。

個別具体的な理由は様々ながらここに共通していることは相手に対する期待です。

家族の場合はもちろんこうあって欲しいという強い愛情で期待している場合もありその想いが強ければ強い程ますます怒りが沸いてくるということになりますね。

いずれにせよ大事なことは怒りの理由はその怒りの対象に対してのこうあるべきだ、こうあって欲しいという期待があるということです。

では相場では何故怒るのでしょうか?

もうお分かりですね。

自分がこうなるはずだという想いが期待に変わっているのです。

だからこそそれが実現していないということに対して怒りを感じてしまうわけです。

自分が厳選した素晴らしい銘柄である、自分がじっくりとタイミングを待って仕掛けた絶好の瞬間のはずである、こういった大きな期待感が投資家に怒りを呼んでしまうのです。

あなたが相場を張っていて怒りを感じたならそれはどうやらあなたが現在行っている取引において過大なる期待感を抱いていてその期待通りになっていない現状にあるということになります。

怒りによる気づき

多くの投資家たちはそこで怒りに心を任せてしまいがちです。

此畜生もう駄目だと投げ売りするとか絶対上手く行かせてやると過剰難平したりと愚かな売買行動を犯してしまうのです。

冷静に判断すれば間違ったと判断したらそれが手痛い損失であっても淡々と見切るべきなのですが、怒りに飲まれている投資家はその客観的判断が出来ない状況に陥ってしまいます。

実際のところこの点がプロとアマチュアを分ける分水嶺であるということに気づきません。

そして大失態を犯した後にもう相場を張るのは止めよう、相場は難しい、と自分を慰めて自分自身の心の問題であるということに気づかぬままに相場の世界から去っていきます。

後は復讐心を持って次こそはと怒りによるストレスを溜めたままに次の取引に向かって墓穴を掘ってしまう投資家も後を絶ちません。

怒りという感情はこのように突発性の誤った行動を犯しがちであるという意味でリスクの高い感情なのですが、プロの相場師はここにおける気づきを認識しています。

それは前述したとおり自分の心がどうやらこの取引において期待感を持ってしまっていた、この取引が成功裏に収まることに大いに期待してしまっていたということに気づけるということになります。

期待しなければ怒ることはない

私は相場を張っていて全取引において何も期待していません。

従って相場を張る上で怒ることはありません。

怒りの作用を理解しているということですね。

対象に対しての期待がないので怒ることはないからです。

期待しなければ怒ることはないということをまずは理解しましょう。

つまりあなたが相場を張っていて怒りを感じることがあるならそれはその取引に対して何らかの期待を抱いてしまっているということに気づきましょう。

期待を無くす

期待しなければ怒ることはないという人間の生物的特性を理解したら次はいかにして期待を無くすかということになります。

親が子に何故怒るかと言えば子に一定の期待をしているからです。

その内容は個人差があれど基本は子供に社会で一定の通用する人生を送ってもらいたいという期待を抱かざるを得ない故に時に怒ることもあるということになります。

しかし相場ではそういう期待を抱くことによる怒りは適切な売買を阻害しますので禁物です。

従っていかにして期待を無くすのかということは大事なこととなります。

このことを考える上でまずは相場において何故期待をしてしまうのかということを考えてみましょう。

選択への期待

それは自分の選択への期待というものになります。

徹底的に吟味してこれで間違いないこれこそが最高の銘柄だとして選んだ銘柄であればあるほど期待感が増していきます。

自分が選択したことに対してそれが成功して欲しいという想いを強くしてしまうわけですね。

実際は相場での成功は常に確率統計学に従ったものですから、特定取引にこだわるべきではなく、あくまで自分の選択は高確率事象を選択したに過ぎないといった理解が必要となるのですが、期待をしている投資家にはそれが出来ません。

自分が選択したことであるということへの期待を抱いてしまいます。

人間心理上相場に限らずどうしても抱いてしまいがちとなる基本的性質なのですがここに対処しているのがプロの投資家ということになります。

自分の選択への期待に対する対処

自分の選択は相場を張る以上避けられないことです。

私ももちろんどんな銘柄をいつ仕掛け手仕舞うのか選択し続けています。

ですから選択自体は問題ないことなのですが、そこに期待を上乗せしてはいけないということなのです。

その期待に対する対処としてどうしたらよいのか?

そのための方策を述べていきましょう。

まずはやはり自分の選択はただただ確率によって結果がもたらされるものに過ぎないことを理解することでしょう。

相場を張るということは自分の考えた通りに相場をすることが目的ではありません。あくまで相場を通じて自己資産増殖を果たすことです。

そのために確率に基づいた行動をしているわけですからそこに従うべきです。

あなたの選択は期待値によって数学的にもたらされる結果でありあなたの自分勝手な期待感で結果がもたらされるものではないということを理解することが大切です。

期待の分散

しかしそれでもどうしても目の前のあなたの選択銘柄、取引に期待感を抱いてしまうという方もおられることでしょう。

その気持ちは分かります。

誰かに何かに期待感を抱いてしまうのは人間の基本的な性質ですから確かにその排除は難しいことなのです。

故に自分のやっていることが確率であるということを理解したということだけではあなたの行動を抑制出来ない可能性もあります。

その場合は期待の分散を試みてください。

あなたが目の前の銘柄、取引を選択したことに対する期待を分散するのです。

つまりあなたはさらに次の銘柄、取引を将来選択することになるということです。

あなたは目の前の取引だけではなく次の取引、また次の取引と期待していかねばならないのです。

ですから目の前の取引に余りに過大な期待を抱いていてはいけません。

こう考えるようにしてみてください。

それがあなたの心における期待の分散となって目先の選択銘柄、取引にこだわりにくくなります。

怒りから学ぶ

最後までお読みいただきありがとうございました。

怒りという感情を表出することはエネルギーが要ります。

つまり長続きすることは難しいことですし、それを継続すると大きなストレスとなり寿命を短くするだけです。

そういう意味ではあまり感じるべき感情ではないのですが、同時にそれは基本的な人間の性質としてある期待というものを介在して起こる仕方ない感情の表出でもあります。

大体は怒りに任せた行動は失敗となることが多く、相場でも同様なので避けるべきなのですが、その怒りの要因をしっかりと考察し、それが期待によるものであるということに気づければ後はそこに対処すれば良いだけであるということが分かったかと思います。

怒りというものを感じている瞬間はどうしても冷静に自分は何に期待してしまっているのかということまで考えが及ばないことが多いですが、少し間を置いてからでも良いですから怒りを怒ったままに放置するのではなくなぜあの時怒ったのかということを振り返って期待の対象を見つけてしっかりと対処してください。

その一つ一つのあなたの心の調整が相場でも人生でも役立っていくことでしょう。

どんな銘柄がいいだどんな売買手法がいいだ相場がどうなる経済がどうなるこんなくだらない話ばかりですが、あなたが相場で生き残り続けたいならあなたがやるべきはこういったあなたの心の分析と対処を丁寧に一つずつこなしていくことなのです。

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