相場のプロとアマチュアを分ける思考の違いというものがあります。
相場や経済の知識量の問題ではなく技術的な分析力の問題でもなく思考の違いです。
同じ事象に対して考えることが全く違います。
そしてその考え方の違いが相場での成否の違いにもなります。
従ってその考えの違いを考えることは有益です。
巷では今日もどんな銘柄がよいかとかこの銘柄が有望だなんだとか相場がどうなるこうなる経済がどうなるこうなるというくだらないことばかりをやっています。
ですから今日はこのもっと大事なことを少し一緒に考えてみましょう。
買い仕掛けしたら下がってしまった
まずはこの例で考えてみましょう。
良くある話でありここが絶好のタイミングだろうと思い買い仕掛けたものの株価が上がることなく下がってしまったということを一度も経験したことがないという方がいるなら圧倒的天才トレーダーでなければただの嘘つきでしかありません。
私ほどではなくても多くの人たちが相場を張り続ける中で体験しなければならないことです。
ここで大事なことはその事実に対してどう思考するかということなのです。
多くのアマチュアはこのように考えます。
何故下がってしまったのだろうか？
私の仕掛けタイミングが間違っていたのだろうか？
何で私がこんな仕打ちを受けなければならないのだろうか？
絶好の仕掛けであるはずなのに何故結果が出ないのだろう？
確かにこう言ったことの中に原因がある未熟な人もいますが、多くは仕掛けタイミングは適切だけれど結果は出なかったという人たちなのですが、しかしそう考えることが出来ずにあれこれ理由探しの旅に出て怒ったり悲しんだり憂いたりしてしまうのです。
一方で我々プロはこんなことを考えることはありません。
当然適切な仕掛けタイミングであることは確信しています。
それと同時に適切な仕掛けタイミングで仕掛けても結果が出ないことが多々あることも知っています。
従って買い仕掛けしたら下がってしまったといった事象を見た場合、これは考えているほど強い相場ではないと思考します。
本当に強い相場であるなら買い仕掛けしたら下がってしまったといった事象は生じないからです。
非常に冷静かつ客観的に目の前の事象を思考します。
この思考の違いが実際の収益に大きく影響していきます。
相場において何をみるべきか？
相場において何を見るべきかの視点が全く異なるのです。
大事なことは相場でまさにこの一つのタイミングで結果を出す、予測を的中させることではないのです。ですから何故この適切な仕掛けタイミングで仕掛けたのに上手く行かないのかという理由を考えることはナンセンスなのです。
あなたがどう考えて仕掛けたにせよ、それが理論上は確かに適切であったとしても、結果は失敗に終わったということを示しただけの話なのです。
これは適切に仕掛けようと努力する必要性がないということを述べているのではなく、適切に仕掛ければ必ず結果が出るわけではないということを理解しておかねばならないということを述べているわけですね。
プロの視点で見た場合は結果失敗となったこと自体は想定内のことでどうでもよく、では逆に逆行方向へと強く進んでいくのか、それとも再び順行方向へと進み始めるのかといったことを見極めようとすることに注視します。
そして前回の結果がどうであれ同じ銘柄において再び適切なタイミングであると思われるタイミングが生じたら躊躇なくそれを実践するということになります。
これがどうしてもアマチュアの方は出来ない人が多いですね。
その出来ない大きな理由は相場において何をみるべきかわかっておらず、その銘柄というものに関心を集中させてしまっているのです。
この銘柄で損をしてしまったから次は・・・
といった思考になってしまっているわけですね。
何とか取り返してやろうといった復讐心に燃える人もいればまた同じことになってしまうのではないかと恐怖を抱いて尻込みしてしまう人もいますが、いずれにせよその共通点は特定の事象にこだわってしまっているということになります。
相場において何を見るべきなのかきちんと理解していないということになります。
思考の大転換
最後までお読みいただきありがとうございました。
アマチュア投資家からプロ投資家への脱皮の試金石は相場や経済の知識の多寡ではありません。
巷では何か理屈ある分析ができる者が相場のプロであるかのように自称していますが、とんでもない話で相場のプロとはどんな相場付きであれ一貫して利益を出し続けることができる、そうあろうと志向し続けている投資家のことを言います。そのうえでもちろん様々な知識があっても別段問題ないですが、過剰な知識が冷静かつ客観的な売買を出来なくする要因にもなりやすいので注意しなければならないのです。
そこに潜む心理は自信過剰による傲慢性が言葉に満ち溢れているよくかたる人たちをみれば容易に理解できるでしょう。しかし得てしてそういった人たちは偽物で実際に圧倒的利益を叩き出すことは出来ていないことがほとんどなのです。
この相場の真理を理解して実践継続するという思考の大転換が出来るかどうかということがすべての投資家たちに今日も問われている試金石なのです。
そしてそれはやはり多くの自信過剰な傲慢な語り口の偽物の投資家たちが存在し続けていることによってなかなかに困難な思考転換であるということが証明されています。
