上で買って下で売る

独活日記(相場を生き抜くために)

多くの投資家たちは今日も下で買って上で売りたいと考えてそれを実践しようと奮闘しています。

確かにそれがはまった取引においては圧倒的幸福感、優越感を感じます。

思い通りに上手く結果が出た取引となるからです。

しかし問題なのはその取引だけで投資家人生が終了するわけではないということです。

つまりそんな結果論で語るようなことが実際に出来る確率は非常に低確率事象であるということですね。

今圧倒的話題となっている大谷選手の打率は僅か2割7分の成績なのです。

プロ野球選手としてはこれでも十分に評価に値する数字であり、大谷選手の場合は現在ホームラン王でありかつピッチャーとしても好成績を収めているわけですから総合的に見れば本当に驚愕の数字なのですが、打率という数字だけを見れば7割以上失敗している平凡な数字なのですね。

投資家も全く同様なのです。

大事なことは勝率、成功率ではないのですね。

下で買って上で売りたいと結果論で述べようとする投資家たちは精神確立が出来ていないということであり、大失敗を犯すリスクを保持しているということに気づかねばならず、その思考の改善に努めなければなりません。

今日はこのことについて考えてみましょう。

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頭と尻尾はくれてやれ

こういう下で買って上で売りたいと思考する、究極的には大底だけで買って大天井だけで売りたいといった究極の大成功を求める投資家たちに対してはすでにこの相場格言が警鐘を鳴らしています。

結果論では過去のチャート推移でみたテクニカル分析でも過去の業績推移でみたファンダメンタル分析でもここで買ってここで売っていればというものはいくらでも誰でも考えることが出来ます。

しかし時間を戻ることが出来る投資家はこの世に一人もいないはずですから、そういうことを思考する時点で投資家失格なのです。

私だって全取引でそうありたいですよ。

いやいや全取引でなくても極々僅かな取引でもそうあってくれたら嬉しいですよ。

そして熟練した相場師にとってはそんなことは絶対にありえないことということが身に沁みて分かっているのですね。

だから頭と尻尾はくれてやれという格言が本当に痛切に自分の心に響いてきます。

痛切に心に響くと言うことは要するに痛い目に遭ってきたということであり、仕掛け手仕舞いにおける後悔の念を過去何度も相場で味わってきた経験があるということを意味しています。

さすがに現在において私は頭と尻尾はくれてやれの言葉通りに過剰な期待を特定銘柄特定取引に抱かない適切な売買を繰り返していますが、過去にはあなたと同じように買いづらかった下でもっと買っておけば、売りづらかった上でもっと売っておけばと考えたものなのです。

しかしそういう思考は相場で墓穴を掘る最終結果をもたらすということを強く認識してください。

下で買いたがる心理

多くの投資家たちはどうしても株価が安くなると買いたくなるようです。

そういう事実があるということは人間自体がそもそも自己監視せずに行動すればそういう性質であるということを意味します。

そして実際商売はより安く買いより高く売ることで利益が大きく出ることは間違いない原則ですからそのことを前提として株もまた同様であり下で買うことが常に正しいことであるかのように錯覚してしまうのですね。

確かに株価が安いということは以前考えていた値より少ない資金で同じ銘柄の株を購入できるわけですから素晴らしいように思うのです。

しかしこういう心理に陥ってしまう投資家たちが考えていないことがあります。

それは何故株価が下がっているのかということです。

目先としては需給の問題のみであり買いたい勢力より売りたい勢力の方が勝っている状況ということなのですが、理由としては業績悪化しているだとか、全体相場の悪化に影響しているだとか、何か不祥事が起きた等々様々な理由で株価が下がっているということです。

ですからこの見極めをしっかりできないと需給逆転、要するにあなたが下で安く買ったと思っていた株価がその後上がることになるのかどうかわからないということなのです。

つまりさらに大きく下に動いてしまうリスクはより大きい状況であると認識できているかどうかです。

相場師としてはリバウンド狙いは常に優位性のある売買タイミングですから私も実践することもありますがそれは下で買えるから買うというものではないのです。

いずれにせよ下で買いたがる心理が人間にはあるということを理解してください。

上で買って下で売る勇気

上で売りたがる心理も同様です。

こちらも商売の原則ですね。

ですから人間心理として常に下で買って上で売ることが正しいこと、株価が安くなったら買って株価が高くなったら売ることが絶対法則のように考えてしまいます。

しかしながら相場では上で買って下で売る勇気が必要になります。

私が述べている上がるものを買い下がるものを空売りなさいということですね。

これを実際に実践継続することは難しい。

何故なら人間心理の常道に逆らう行動だからです。

故にその行動は少数派の行動となり、人の裏道を行くことになり、成功し続ける投資家として君臨し続けることになるのです。

またこれは順張りを基本としている翁だからそうすべきことであり、逆張り投資家には当てはまらないのではないかといったご批判もありましょう。

そのことに応えるとそのような人たちもやはり上で買って下で売る勇気が必要なのです。

逆張りにおける上で買う勇気

逆張りはまさに下で買い上で売る投資法だと考えている人たちがこの世には多数です。

しかし残念ながら真実はそこにはありません。

逆張りもまた上で買う勇気が必要となります。

逆張りは確かに株価が下がっている段階で買うわけなのですが、ただ株価が下がっているというだけで機械的に難平し続けていけば良いわけではありません。

タイミング的には時間軸を短くした上で下げ止まりを確認した後の高値更新、つまり上で買う勇気が必要となります。

無限難平前提の適当売買ではダメなのですね。

資金が続かないのです。

もちろん資金100分割投資をするなら倒産しなければいつかは利益を出せる瞬間は来るかもしれませんが、それは時間のロスが著しくかつこれではむしろ絶妙のタイミングであった場合に100分の1分しか仕掛けられないことを意味し、十分な利益が出ないのですね。

ですから逆張りであっても株価が下げたら無尽蔵に買い続ければよいといった素人発想による売買ではなくきちんとタイミングを計って適切な資金量を投下する必要があり、その瞬間は常に下で買うことではなく上で買うことなのです。

上で買って下で売る

最後までお読みいただきありがとうございました。

巷では今日も多くの投資家たちが下で買って上で売ろうとしています。

しかしその意識では成功し続ける投資家になることはありません。

上で買って下で売る意識で相場に立ち向かう勇気が必要です。

私がいつも上がるものを買い下がるものを空売りなさいと述べている本質的な意味が理解できたでしょうか?

言葉をそのままに自分勝手に解釈してそれは違うと考えてしまうことは早計なのです。

すべての投資家にとって今日も問われ続けている命題は上で買って下で売る勇気があるかどうかなのです。

ここを理解すると日々の売買における適切性が増すことになります。

ただ株価が上がった下がったというだけでは売買しなくなります。

このちょっとした投資家の姿勢の違いが成否の大きな違いとなってくるのです。

今日からあなたも思考転換してください。

上で買って下で売るという意識で相場に臨んでみてください。

劇的にあなたの投資収益が改善していくことでしょう。

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