これは常識である。
と、まことしやかに論説する人たちは多いですね。
しかし歴史を紐解けば過去の時代においてこれは現代の常識であるとされたものがことごとく非常識であったことがわかっていきました。
いわゆる有名な天動説地動説は元より、科学万能の現代においても相変わらずこれは常識であるという固定観念で極々基本的なことが非常識なことであったと将来わかる日が来る可能性は常にあり続けているのですね。
政治家はよく革新という言葉を使いますが、本当の革新とは常に現代における常識というものを覆すようなことを成すことに使うのであって頻繁に革新革新と言えるような事象はないのです。
相場においても常識という厄介なものが相変わらず相場の素人である各種相場関係者たちによって喧伝されています。
今日はこのことを少し考えてみたいと思います。
常識というもの
常識とは何か?
その解答はその時代における多数派の意見ということになります。
何か常識=正しいことと誤解してしまう人が多いのですが、この常識というものの定義を忘れてはならないのですね。
その常識というものが正しいか間違っているかは分からないがその時代に生きる人たちが常識と考えている、当然正しいことと考えていることがその時代においては常識であるということになります。
例えば殺人は悪いことであるとして罰せられるのは現代の常識としてありますが、戦国時代においては兄弟さえ殺して一国一城の主を守るのが常識であり、いつ何時部下に寝首をかかれるか分からない下克上が常識とされる時代でした。
そんな時代に殺人は悪いことだ~と主張していたらさっさと殺されるだけだったということになります。
現代においては法律で罰せられ牢屋に入って刑に服するわけですが、常識とは常に時代によって変わってくるということになります。
この常識というものの本質を一度確認してみてほしいのです。
相場の常識
相場の常識というものもあります。
銘柄選択が全てである。
巷ではそう言われていますね。
その理由として今日も参考銘柄と称して責任逃れをしながら特定の銘柄を取り上げてさもこれから期待できるかのごとく推奨銘柄を述べる相場評論家が横行しています。
それだけでなく実際にお金を取って銘柄情報を提供している投資顧問業というものもありますね。
企業分析レポートを証券アナリストなる相場の素人たちが提供しています。
こういったものが多く横行するのは当然ながら相場で成功していくためには銘柄選択こそが大事であるということが常識とされているからです。
常識だから正しいとは限らない
残念ながらこの相場の常識なるものは正しくないと私は考えています。
ここから脱することが出来ている投資家は極々少数ですが、その極々少数の方々は例外なく圧倒的な成功を収めています。
しっかりと銘柄選択をして成功を一時的に収めているという方々は現在においては少なからずおられるので誤解が生じるのですが、あくまでそれは世界最大市場である米国市場がリーマンショック以後今日も歴史上最高値更新し続けている状況だからに過ぎない可能性が高く、そのような人たちが果たして世界的に株式市場が史上最安値更新していく時代においても成功を維持出来るかどうかは大いに未知数であるということになるのです。
私は不動産バブル崩壊時にも淡々と売買を繰り返し成功し続けてきたことを自負していますので常日頃から述べておりますが相場付きがどんな状況であれ問題ない、つまり銘柄選択をまったく重視していないが故に出来る芸当をしているということになります。
別に自慢をしているわけではなく銘柄選択を重視していない投資家が成功し続けない訳がないということを述べているわけですね。
非常識な発言に思ったあなたは相場の常識=正しいことであると思い込んでしまっているということになります。
あなたは常識を疑うことができるか?
この見出しを自問自答してみて欲しいのです。
相場に限らずあらゆる事象で今日もこれが常識であるとされていることが多数あるのですが、赤信号もみんなで渡れば怖くないというような発想で渡ってしまうとみんなで一緒に奈落の底にといったこともあるのです。
常識とは本当に怖いものです。
相場評論家が無数にマスメディアからインターネットまで至る所に横行している時代です。
それ故に相場の常識として多くの人たちが間違ったことを述べることによって投資を志そうとする人たちが真に受けてしまってそれを常識として受け入れてしまうのです。
そういったことが起こってしまったあなたが果たしてその常識を疑い、私の述べる非常識に見える言葉を信じ抜くことが出来るのか?
ここに最初で最大の難解な部分があるのです。
コペルニクス的転回への道筋
このコペルニクス的転回、つまり発想を大転換するためには実際のところ地味な反復しかないことが多いです。
もう一つは非常に大きな失態を犯すことによって気づかされることもありますね。
銘柄選択が最も大事であるという相場の常識に対してまさに自分で丹念に分析して厳選して多くの相場関係者の言も参考にしながらまさにこれだと思って投資した銘柄で大失敗をしたときに初めて実感し発想を大転換させることが出来るあなたが作られることは多いです。
私自身がそうだったからそう考えるわけでもあるのですが、その前に気づいてほしい、その前に発想を大転換してほしい、そのためにはどうしたらよいか?と考えたときに結局は反復して自分に言い聞かせ続けるしかないというのが私の結論となります。
地道に反復して洗脳されるもよし、反復しながら売買経験も積んでいって突然きっかけを掴むもよし、いずれにせよ銘柄選択など大事ではないということを言い聞かせ続けることによってその大転換可能性を図るしかないということですね。
常識はいつももっともらしい
最後までお読みいただきありがとうございました。
常識とはいつももっともらしい感じがします。
そしてよくその事象を自分で考えてみるということを怠りがちになるのですね。
これは実は相場に限った話ではありません。
テレビや新聞が日々報じる事象も、インターネットに飛び交う情報も総じてそれが常識なのかどうかは疑ってかからねばなりません。
客観的な複数の研究者による実験結果の集積であってもそれが常識であると見なす前に自分で少し考えてみる、試してみることが本当に大事です。
大人びた子供のように、若々しい老人のように、ぱっと見では見分けがつかない常識なる非常識が含まれていることが多分にあるのですね。
そこで間違えないためにも常識はいつももっともらしいものであるとして敢えて疑う姿勢を保ち続ける習慣を持つと良いのでしょう。