株式投資の動機として企業を応援するために投資するというものがあります。
とある有名な方がよく述べていることなのですが、私は大いに疑問です。
その理由について今日は考えてみたいと思います。
企業を応援するとは何か
企業を応援する最良の方法は株式投資ではありません。
特定の企業を応援したいのであればその企業の物、サービスを大いに利用することが最良です。
何故ならその企業の利益に直結した行動だからです。
企業を応援するということなら株式投資などせずそのお金をすべてその企業につぎ込むことが一番なのですね。
株主優待というもの
日本特有の制度として株主優待制度というものがあります。
株主優待利回り10%!とか煽られるわけですが、その内容の多くはその企業の製品やサービスであることが多いという意味では間接的にその企業を応援しているということになります。
しかしそんなことに費用をかけられるならその分を増配すればよいだけの話ではないでしょうか?
配当金を使ってその企業の製品やサービスを購入すればよいのではないでしょうか?
株主優待おじさんなどというものも生まれていますが、非常に危険な思想だと私は考えています。
上場企業の使命
株式上場するということは株式市場で資金調達をすることによって自身の企業価値を高めていき、投資家にインカムゲインとキャピタルゲインを生み出すことが使命です。
どんな企業状況だろうとも長期投資し続ける投資家を増やそうとする施策は総じてその企業のためにも投資家のためにもなりません。
企業にとってはしっかりと経営していかねばならないという覚悟が薄れていってしまいます。
投資家にとっては塩漬けでもいずれは何とかなるだろうときちんと分析評価して適切な投資判断を下すのを怠けるようになってしまいます。
投資家の使命
投資家は多くの上場企業を厳しく客観的に分析して素晴らしい企業を高評価し酷い企業を低評価する使命があります。
もちろん個々に置いては自己資産増殖をいかに果たすかということですが、社会的責任としてはこのようなものがあるのですね。
そこで企業を応援するための株式投資などという発想を持ちだしてしまうと株式市場が歪なものになっていってしまうのです。
投資家の本来の社会的使命を忘れてはなりません。
企業を応援するための株式投資の本質
最後までお読みいただきありがとうございました。
素晴らしい企業であれば多くの投資家が集まり株価は上がり続けます。
もちろん素晴らしい企業であっても一時的な業績停滞などによって指標の割高性によって全体相場環境によって株価が下がる局面はあります。
しかし本当に素晴らしい企業であれば安いところでは多くの投資家が殺到して買い支えられ、底堅い推移をすることが多くなります。
そのような素晴らしい企業を育てていくこと、応援することが企業を応援するための株式投資の本質です。
応援ありきではなく、結果的に素晴らしい企業は多くの投資家に応援されることになるということです。
この本質を決して忘れてはならずそれを歪めるようなことは出来うる限り避けねばなりません。