人間は感情的動物である。
感情の起伏がないように見える人でもそれは見せていないだけで感情が全くない人間というものは存在しません。
とある人は特定の言葉を言われると感情が湧いてきますし、またとある人は特定の行動をすると感情が湧いてきます。
同じ言葉でも同じ行動でも感じる感情その多寡も千差万別であり、こうなったら必ずこの感情が誰でも湧くということはまずありません。
しかしいずれにせよ何かしらのきっかけで各種感情が湧くことは誰しもあるということは間違いありません。
故に相場でももちろん同様に様々な事象を見ることで体験することで様々な感情が個々の投資家たちそれぞれに様々に沸き立ち続けています。
喜びの感情
まず喜びの感情というものが大きく湧いてきます。
その理由は多くが相場で利益を出したときに起こります。
損切りしてよっしゃやった嬉しいと思う投資家はさすがにいないということになりますね。
私は個別の取引において大利を出しても喜びの感情が沸いてくるということは無くなりました。
そういうこともあるだろうねといった感慨を抱いてしまうということと、これで相場人生終了ではなくまた次も相場を張らなければならないので次張ったら今回の大利をすべて吐き出してしまう可能性は十分にあるということを痛感しているからです。
こういったことを考えてしまうので素直に喜べないということになります。
ただこの感情は抑制する必要性はないと私は考えています。
大利を出したら喜ぶのは当たり前の投資家の感情です。
どうであれ自己資産増殖すればそれだけ生活も楽になる贅沢が出来る、多くのお金を使えるようになるわけですから、それは喜ばしいことだからです。
それを素直に喜ぶ感情というのはあってよいものだろうと思いますし、そういった経験が次の動機にもつながり、実際次も相場を張る気になる強い動機となります。
ただここで気を付けなくてはいけないことはそこに傲慢性というものが現れていないかという点です。
喜びの感情が沸いたということはそれをもう一度再現したいという動機と同時にもう一度出来て当然といった自信過剰な心理が生じるリスクがあります。
これが傲慢性ですが、この傲慢性が喜びの感情が沸いた後、しっかりと自己分析してそこに陥っていないことを確認してください。
怒りの感情
怒りの感情は相場の様々な局面で湧きやすい感情です。
大損したときは分かりやすいですね。
自己資産が圧倒的に減少したわけですからそれを喜ぶ人はまずいませんし、大抵は怒りが沸いてきます。自分の誤った行動への怒りである場合もありますし、相場が自分の思い通りにいかないと市場に対して怒りを持つ場合もあります。怒りというよりも悲しみ、喪失感を抱く場合もありますね。
また利益を出してもその後手掛けて銘柄がさらに大きく順行したりしてさらなる利益を逃したという結果を見て怒る投資家もいます。
怒りを湧くタイミングは人それぞれなのですが、その怒りの感情が何故湧いてきたのかということをよく考えてみることは有益です。
そのうえでその感情を貯めこんでしまうのではなく、理解容認しながら、どうやったらその原因を避けることが出来たのかということを自己分析します。
まさに感情的になってしまったが故の行動であるならその抑制法が大事となってきますし、そもそもそのような売買規則となっていたのならそれを修正しなければなりません。
いずれにせよ怒りの感情はそのまま自分の失敗を改善する良いヒントをもたらします。
それを行うことを考えると良いでしょう。
感情は誰しもが常に表出し続けている
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日は感情というものが相場に影響を与えることに関して反復しました。
感情を完全に抑圧することは不可能です。
一時的には表面的には出来ていてもその感情抑圧が溜まっていっていつかむしろ大爆発してしまいます。
さらに人の性格は千差万別であり、すぐに切れやすい短気な人もいれば何を言われても何をしても何も感じていないように見える鈍感な人もいます。
しかし常に何らかの感情は人間が生きている限り様々な事象に遭遇、経験する度に起こり続けます。
ですから感情というものは抑圧するというよりも抑制することが大事で、そのために必要な言葉として私が使う言葉は感情を流されるままに体感しながらもそれをいかに相場実践に持ち込まないかということを考えましょうということになります。
この訓練を繰り返していった私は今は相場においては鈍感力というようなものを身に付けました。
すべては適切な売買を繰り返すためのものなのですが銘柄選択などよりずっと大事なことです。
しかし相場以外に関してはこのブログなどでは政治や経済、社会に関して論理的に主張しているつもりでも大いに感情的に爆発してしまうことも少なからずですね。
人生においても感情というものは扱いが難しいものですが、しかしどうやっても何かしらのきっかけでどうしても生じ続けてしまうものですから、どうそれと上手く付き合って大失敗をなるべく犯さない人生を送るのか、大失敗を犯してもそこから立ちあがれる人生を送れるのか、順風満帆な成功をしていても増長しないで謙虚に生きて行けるのか、感情というものが媒介となってそういったことを考えなければならないということに気づかせてくれるということに焦点を当てていくことが大事です。