人間はついつい余計なことをしてしまうものですね。
余計なお世話となるようなおせっかいをしてしまったり、余計な一言を言ってしまって険悪な雰囲気にしてしまったり、思わずやってしまった言ってしまったということはあるものです。
人間の人生という意味では致し方ないことだったで済みますが、相場の場合、それは悲惨な結果となってしまいます。
相場でもまた余計なことをしないということが大事です。
今日はこのことを考えてみましょう。
相場における余計なこと
相場における余計なことと言うのは基本シンプルであり、不適切な取引をしないということになります。
本当にたったこれだけのことなのです。
しかし多くの投資家たちはこれが出来ないのです。
いや出来るときもあるでしょう。
出来る日はあるでしょう。
出来る年はあるでしょう。
ただ生涯出来続けている投資家は数少ないのです。
ですから相場における余計なこととなる不適切な取引というものをもう少し細かく見ていきましょう。
自己規則にない取引
まずは規則違反の取引ですね。
自分でルール、規則を決めてこう売買しようと決めながらそれを順守しない取引を犯すことは法律を守らない犯罪者と同類であると厳しく述べておかねばなりません。
もちろん肩を持つなら様々な誘惑が様々な感情が引き起こされてついしてしまったということなのですが、そこはしっかりと抑制できるように心を整えなければなりません。
私はトレンドフォロワー、つまり順張りですから、難平買い下がり売り上がりをして逆張りをしようとすることは論外です。常に手掛ける時間軸においてトレンドが出来ている状況にあるタイミングでしか仕掛けてはいけないという自己規則を持っているわけですね。
その自己規則に反する取引をしてしまうともう規則も何もなくなってしまう無法事態になってしまうわけです。
そうなるともう何でも売買して良いことになってしまいます。
私はトレンドフォロワーですからいかなる時もトレンドに従った売買を繰り返さなければなりません。一取引も例外事象を作ってはいけません。
一回くらいいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、それが落とし穴です。
それが仮に大成功裏に収まったりするとまたやってみたいという誘惑を隠し切れなくなりやってしまうからです。
隣の芝生が青く見える人間心理ですね。
この誤った成功体験によって結構簡単に人間の自己規則を遵守するといった縛りは解放されてしまうものなのです。
ですから自己規則にない取引はいかに魅力的に見える取引でも決してやってはいけない余計な取引となります。
過剰な取引
次に過剰な取引です。
こちらは資金管理の問題ですかね。
一日で多くの資産を投下してしまうことはよくある投資家の間違いです。
資金管理の規律を守ることは当然で私の場合は総資金の10%を超えて一取引に投下することは絶対にしないという規律を持っていて順守していますが、そのうえでなおかつここは絶好のタイミングだなと思ったとしても常に資金投下量は抑えてまた後日に改めて考えてやはり良いと見たら追加していくといった過剰な取引とならないようにする姿勢を保つことが大事です。
もう一つは多くの銘柄に一度に資金投下してしまうことですね。
銘柄分散は大事ですが、それ以上に大事なことは時間分散であり、一度にあれこれ多くの銘柄を仕掛けることは全く分散効果は出ないということに気づきましょう。
相場には流れというものがあり、それは急変するものでもありますので、銘柄分散しているのだから一気に資金投下しても良いと考えるのではなく、今日2,3銘柄に投資したらさらにこれもよさそうだあれもよさそうだというものが生じる相場環境であったとしてもそこは敢えて仕掛けないという自制心を保つことがとても大事です。
絶好のタイミング、適切なタイミングといったものは多くの銘柄で重複してしまうことも多いのでその場合は多くに仕掛けようと欲張るのではなく厳選して少なめにしてまた次の機会を待てばよいとした発想に意識を持っておくと良いでしょう。
いずれにせよ過剰な取引をすると目移りして迅速に対処するのも大変になりますので余計な取引を多く生んでしまうことになるのです。
感情的取引
感情的に取引することはやはり余計な取引です。
前回大損してしまったから今回それをすべて取り返してやろうといった感情的な動機で売買をするといったことは実はよく投資家に起こる間違いです。
前回の取引結果と今回の取引を結びつけてはいけないのです。
実際相関関係は何もありません。
前回の結果が大損であっても今回の結果は確定しません。
大利となって確かに前回の大損を取り戻せることになるかもしれませんが、再び大損を食らうことになるかもしれません。
いずれにせよ大事なことは感情的に売買してはいけないということです。
結果上手く行ってしまったらもうお仕舞いです。
もう感情的に次々と余計な取引をしてしまうでしょう。
誤った成功体験による売買客観性の欠如となり、最終的には失敗に終わることが確定します。
復讐心、恐怖心、虚栄心、自己顕示欲、自己正当化、総じてそこには感情的取引が潜んでいます。
すべてが余計な取引となりますので決して犯さないようにしなければなりません。
相場技術は削る技術
最後までお読みいただきありがとうございました。
相場の技術的側面というのは売買タイミングということよりもいかに余計な取引を減らしていくか無くしていくかの削る技術となりますね。
実際相場ではなくても他の各界のプロフェッショナルな方々の発言を見てみてもやはり余計な部分を削って削っていかにシンプルなスタイルを確立出来るかがカギであると述べる方々が多いです。
まさにこのような方々の仰る通りであり、相場においても変わらず同様で、いかに余計な取引をしないかといったことの制御がプロとアマを分ける相場技術の違いということになります。
本当に僅かな差に見えると思うのですが、ほんのちょっとした思考の差にみえるのですが、この克服がなかなかに困難であるというのが真理ですね。
もう一度繰り返しますが相場技術は削る技術です。
いかに削いで削いで最小限のシンプルな姿勢を保ち続けた売買を継続できるか?
このあたりのところに成否があるわけですが、ほとんどの投資家たちはそんなことを考えてみることさえせず、ただただどんな銘柄選択をすればよいのかばかりに今日も奔走しています。
相場は知識を増やせば増やすほど儲かるようになるわけではなく、むしろ一定以上の知識となると余計な有害なものに成り得るものですから相場技術的には実践で使うべき知識というものもいかに削って最小限に保っていくかといったことが大事となるわけですね。
相場は本当に奥が深いです。