合理主義の限界

独活日記(相場を生き抜くために)

時代は合理主義というものを信奉する時代に入っています。

その主導的役割となっているのは科学ですね。

科学はまさに合理主義のたまものであり、そこで言われるのは常にエヴィデンスがあるかどうかといったことになります。

その手法としては基本統計学を駆使するわけですが、その統計手法自体が完ぺきなものではありませんので、統計から分かることは確からしさであり、可能性でしかありません。さらにデータを恣意的に活用して自分の考えを正当化するためのものにすることが容易です。

それでも直感的なエヴィデンス無き感情によるものよりは確かではないかと考えている人たちがほとんどとなっているのが現代社会ですね。

インターネットを検索すればあらゆる分野のあらゆる一理ある合理的論理的正しく見える回答が得られます。

そういうものを比較すると私はこう思っているといった感情論印象論は軽視されがちとなってしまうわけですね。

しかし私はこの合理主義の限界を感じています。

今日はこのことを考えてみたいと思います。

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合理主義で見る人間というもの

合理主義で人間を見るといわゆる医学生理学的に生物学的に機械工学的にどうとでも真っ当な説明は出来ますね。

もちろんそれらはどれも確かに一理ある見解とはなるわけなのですが、残念ながらそれでは人間を完全に理解できることにはならないのです。

何故なら合理主義で見た場合はどんな見地からもつねに自分の外側から見たものでしかないからです。

現代科学はすべてそういった外側から見たものであり、内側から見たものが何もないというところに大きな欠点があると見ています。

相場心理といったものでも常に西洋心理学の合理主義の見地からもものばかりなので納得する一理はあっても完全理解に至ることはまずありません。

合理主義で見る人間というものは常に客観的外面的であり非常に狭い一面性からしか捉えられていないということを理解することが大事となります。

内省というもの

私はよく内省と言う言葉を使いますね。

外側から見るのではなく内側から見るということなのですが、合理主義に染まった人たちから見ると非常に主観的に見えて軽視してしまう人たちが後を絶たないですね。

しかし人間を知る、自分を知るのはこの主観的に見える方法がとても有効です。

人間を医学的に見る生物学的に見る、生理学的に見る、生化学的に見る、心理学的に見る、いずれも合理主義に染まった人たちがやる極々小さな一面でしかない一方で、内省というものを通して内側から見ることは非常に広大な多面な人間、自分というものの発見に大いに役立っていきます。

ここは結局言葉で正確に表現することが出来ないのです。

つまりエヴィデンスが無いわけですから合理主義に染まった人たちが理解することは至極困難なことになるわけですが、そして実際には錯覚かもしれませんし自己洗脳かもしれませんが、ほっとする気持ち、安寧の感が得られていきます。

内省というものは自分の内から自分を見ていくという意味でそこに合理はなくあるのはただただ感覚的なものとなるわけですが、こういったことが何故か人を安らかにしてしまうことが多々あるというのは面白い不合理現象なのですね。

感得することの大事さ

最後までお読みいただきありがとうございました。

合理主義の時代となってエヴィデンスのないものは信奉されない環境となっており、そのことがむしろ生き方の窮屈さを増してあまり幸せな人というものを見かけなくなってしまっているのが悲しい現実です。

合理主義が尊ぶ効率性、生産性といった言葉は確かに余計な経費を抑えて利益を極大化するといった点においては有効な思考なのですが、人間が幸せに生きるという意味ではそういった効率性や生産性が生きにくくしてしまう人間を増やすことにつながっているというのが私のエヴィデンス無き非合理思考です。

私はピアノを弾くわけですが、確かに手捌きという意味では合理的なもの、音楽性という意味でも合理的な部分というものもあるわけですが、しかし結局それだけでは人の心を引き付ける演奏になることはありません。

プログラムしてコンピューターに演奏させれば同じように演奏出来るからです。

徹底して合理主義を追求した先には幸福はないというのが私の考えです。

情感豊かに個性的に演奏するとはどういうことなのか?

この辺りはどうやっても合理主義では解決できない感覚的な部分なのですね。

したがってそういったものを感得する力というものが必要となり、その感覚というものはエヴィデンスのない非合理的なものとなります。

相場では顕著にそういった相場を形成し続けており従ってやはり相場でも合理主義で行くと必ず大失敗を犯す瞬間が訪れるということが確かなこととなっているのですね。

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