今日もお越しいただきありがとうございます。
今日も相変わらず相場を張っている翁です。
相場界隈においてはどうしても次のような人が脚光を浴びます。
一年で10万円を10億円にしました!
数年で100万円を100倍にした私の方法。
確かに凄いことだと思います。
一過性の人物である可能性を完全に捨て去ることは難しいですが一時的にせよ大成功者には違いはなくカリスマ投資家と呼んでも概ね間違いではないでしょう。
しかし私はこういう方々が相場のことを啓蒙していくのはカリスマではない私を含む多くの投資家たちにとっては害となるリスクがあるということに注意しなければならないと考えています。
今日はこのことを考えていきたいと思います。
マスメディアというもの
マスメディアにはある共通項があります。
これは常に意識しておいた方がよいでしょう。
テレビでもインターネットでも新聞でも書籍でも雑誌でも何でもそうなのですが、いわゆる大衆を相手にしたマスメディアというものは総じて新奇なもの、希有な事象に飛びつきます。
少年犯罪だとか無差別殺人、高齢者の交通事故、毎日のように報道されている事件事故ですが、これだけを見ていると何か頻繁に起こっていることであるかのごとき錯覚をします。
しかし事実はこういったことが例外事象であり、多くの少年は健全であり、殺人など起こす人は滅多におらず、多くの高齢者は今日も事故を起こさずに安全運転をしているわけです。
相場界においてもマスメディアは常に新奇なもの、希有な事象に飛びつきます。
例えば今日も私翁は損切りの連続です。
と述べても何の関心も抱かれることはありません。
しかし一年で10万円を1000万円にしました!
仮想通貨で億り人になりました!
といった人のところにはマスメディアが殺到するのです。
それは総じてこういう人たちが新奇な人、希有な人であるからということになります。
しかし裏を返せばそのような人たちにその他の多くの投資家たちが参考に出来るものがあるのかと言えば疑わしいということになるのです。
題目は常に害となる
多くの投資家たちが関心を持ってしまうのは要するに短期間で自己資産を何百倍何千倍何万倍にもした理由です。
題目はそれをセンセーショナルに煽りますからどうしてもそこに集中してしまいます。
故にそういったものは常に多くの投資家たちにとって害となります。
相場の本質はそういうところにはないのです。
年利30%という数字
私はいつもこの数字を出します。
年利30%平均で100万円の自己資産を運用していったら30年後にはいくらになっていると思いますか?
初年度は100万円を一年かけて何とか130万円にするといったものです。
非常に地味ですね。
それを成し遂げた素晴らしい投資家に対してマスメディアが飛びつくことは絶対にありませんね。
しかも日々真剣に売買を繰り返してこの数字なのですから多くの投資家たちは物足りなく感じてしまうのです。
一年かけるなら100万円は最低でも200万円、いや500万1000万だって出来るはずだ、出来ている投資家はたくさんいるはずだと最高の例外事象である一年で100万円を1億円にしましたといった人の例を取り出して思考し始めてしまうのです。
しかしこの地味に見える年利30%平均での資産運用における30年後の運用結果は凄まじい数字となるのですね。
複利、つまり増加した資金も再投資していく前提で計算すると何と30年後には100万円が26億2千万円程度に大化けしてしまうのです。
机上の空論
もちろんこれは机上の計算に過ぎません。
年平均30%で30年間複利運用してくれるファンドマネージャーなどこの世にほとんどいません。
相場はめまぐるしく変化していきますし、そこに適応しながら安定した成績を出し続けることは至極困難です。
つまりは年利100%を達成することもあればマイナス%となってしまうこともありながら30年分を年平均すると30%複利運用になるとどうなるのかということを例示したに過ぎません。
私が100万円を1億円しましたといった人たちが一過性ではないかと疑ったのは相場というのは宝くじに当たるようなことも極少数ですが体験できるようなことをする場である故に長期間でその人の投資家人生を眺めないと本物かどうか見極められないと考えているからです。
しかし敢えてこの机上の空論を述べた理由は私が多くの投資家たちにとって益となるだろうと考えるところの題目につなげるためです。
ゆっくりでいいんですよ
なんというかゆっくりでいいんです。
株式投資を始めてもう短期でさっさと億万長者を達成したいという強欲な方で満ちあふれているんですね。
だからそれが出来た人たちのところへとマスメディアが殺到するわけです。
多くの投資家たちがその情報を求めているからです。
しかし本質はそんなところにはなくゆっくりなのですね。
日々適切に売買していって一年かけて100万円を130万円にすることを30年継続し続ければ良いのです。
そのゆっくりな資産増殖推移で良い感覚を身につけて欲しいのです。
短期で倍増10倍増100倍増と考えているとどうしても資金管理が杜撰になりやすく、リスク管理がお粗末になります。
しかしこの100万円を来年には130万円にするべくコツコツ利益を積み重ねていこうと考えたら少し気持ちがゆっくりになりませんか?
そのあなたの思考転換が私の大きな狙いです。
相場は人生そのものです
最後までお読みいただきありがとうございました。
ちなみに先ほど出した机上の空論ですが、年利を20%に落として計算してみましょう。
そうすると30年後には100万円が2億4千万円弱となります。
さらに落として年利10%とすると30年後には100万円が1750万円弱となります。
ここでわかることは複利効果の凄まじさですが、年利平均10%であっても30年後に自己資産を十何倍にも出来てしまうということです。
分かってほしいことは一つだけです。
相場は人生そのものです。
あなたは目の前の取引に着目してしまうかもしれませんが、あなたの投資家人生は30年続くと考えてそのような俯瞰的な視点であなたの投資資金を見つめてください。
そうすることでいわゆる一年で100万円を1億円にしました的なものに影響されることなく、謙虚な姿勢で今日の一取引を大切に適切に実践しようと思えるあなたが形成されるのですね。
そして結果論的にあなたがカリスマ投資家のような結果を残されたなら私はただあなたにおめでとうございますと言うだけなのです。