メジャーリーガー大谷翔平の偉業は長いメジャーリーグの歴史に名を残すことが確定しています。
現代野球において投手と打者を最高峰の世界で同時にやり遂げることは絶対に不可能と言われてきました。
プロ野球の選手になるような人は少年時代、いや高校生の段階においても大谷選手のようにエースで主砲といった立場となっているような人たちなのですが、プロのレベルではそれを維持出来た選手は過去いなくていわゆるベースボール創成期で技術レベルで熟達していない過去の偉人となっているベーブルースの時代にまで遡らねばならなかったわけです。
しかし現代野球において最高峰のレベルにおいて少年野球のエースで主砲の活躍、しかもそれがどちらでも最高峰の結果を残してしまうといったことを今年やり遂げた大谷翔平という人物は過小評価すべきではないでしょうね。
MVPは大谷である
さてその中でアリーグMVPの論争が激しくなっているようです。
しかし米国通と言われる方々によればアーロン=ジャッジ選手で決まりということのようですね。
彼はアリーグHR本数新記録を成し遂げ、その打撃成績は各部門で1位となる圧倒的成績で例年であれば満票でMVPとなると言われています。
ただ今季も大谷翔平という歴史的伝説的選手が現役で大活躍してしまっていますのでそういうわけにはいかないはずであるというのが客観的判断においては考えられることになります。
結局はMVPとは何かということを考えるべきなのでしょう。
MVPとはmost valuable player つまり最も価値ある選手という意味になります。
つまり今年アリーグで最も価値ある選手は誰かを選ぶと言うことになります。
従ってvaluable 価値とは何かということが問題となってきます。
そして投票権のある人が選ばれた記者の人たちであるということも大事な点です。
要するに記者の人たちそれぞれが主観的に1位2位3位と価値を順位付けして選ぶということです。
故に結果は誰にも分からず、WARなどどんな客観的指標を持ち出しても確定的なものは何もないということになるわけですね。
その中で私は常に稀少性というものを重んじている価値観を持っていますのでMVPは大谷一択であるということになります。
アリーグ本塁打数記録更新はもちろん凄いことなのですが、投打で記録に残る規定打席規定投球回数を記録してしかもどちらもレギュラークラスというのみならずトップ5となるエリート成績を残しているといった事実はアリーグ本塁打記録更新程度では覆すことは出来ない歴史上初は当然ながら将来も出てくる可能性が皆無の大谷選手の記録を破れるのは大谷選手だけといった不滅の記録であり、その稀少性の価値はもう1000年に一度の価値であると考えるからです。
ただ二刀流という誰もやっていない珍しいことを最高峰の世界で出来ているというだけでなく、エースで主砲の活躍を一年を通してやり遂げたという価値はこれから将来二刀流選手が出てきたとしても決して不可能なまさにベーブルースのような伝説となる成績を今季大谷選手は出してしまったという事実をどれほどの人たちが認識できているかということになります。
優勝請負人であることの価値
そんな大谷選手より勝っていると価値を見出している部分に優勝請負人であるかどうかということが挙げられています。
つまりポストシーズンに進みワールドチャンピオンへ向けて争えるようにチームを導いている選手であるかどうかということがMVPを選ぶうえで重要な価値の一つではないかという論点ですね。
確かに日本のプロ野球のMVPは余程の傑出した成績を残さない限り基本最高勝率チーム、要するに優勝チームで最高成績の選手がMVPに選ばれることがほとんどとなっています。
しかしメジャーリーグでは個人主義の傾向が強い米国らしく最高勝率チーム以外からも多数選ばれ続けています。
それでもメジャーリーグの巨人というような立場となるヤンキースに所属する選手であるということの優位性もあり、早期にポストシーズン争いから脱落したチームで成績を残した大谷選手より優勝請負人となったアーロンジャッジ選手の方が価値があるとする論調は多いようです。
ここにおいてはやはり原点に帰るべきなのでしょう。
MVPとはmost valuable player、最も価値ある選手という意味であり、最も価値あるチームに所属している選手という意味ではないということです。
チーム状況というものはそれぞれであり当然優劣が生じ結果も優勝劣敗となり様々です。そこに所属する選手にとってどうしようもないことです。
ですからMVP選定においてはチーム状況まで考慮させるというのは差別になると私は考えます。
そしてチームが優勝することが目的の世界においてそれを導けた選手と導けなかった選手を比較するときに考えなければならない点がいくつかあります。
まず野球は一人圧倒的選手がいれば勝てるわけではないということですね。
それは大谷選手という圧倒的な選手がいて投打で大活躍しながらも所属するエンゼルスは優勝できなかったという事実で証明されます。
一方でジャッジ選手という圧倒的な選手がいなかったとしてもヤンキースは普通に毎年ポストシーズンに出られる成績は最低限残し続ける層の厚い選手層を維持しているチームです。
つまり優勝できるかどうかと選手としての価値があるかどうかは無関係であるということですね。
その中で比較するとしたらそのチーム全体の力に対してどれほどその一人の選手の力が必要となったかという割合を考えることが客観的な価値比較だと私は考えます。
その点においては大谷の圧勝ということになります。
何故ならジャッジの他にも多くの主砲がい続けたヤンキースに対してエンゼルスは大谷と同じような主砲が怪我で相次いで不在となってしまって主砲は大谷一人きりとなっていた試合が多くあったということが一点です。
もう一点はもちろん二刀流であるかどうかですね。
ジャッジは残念ながら投手成績はゼロですから投手としての価値は皆無です。
しかし大谷選手は打撃での貢献のみならず投手としての貢献も圧倒的でした。
エンゼルスのエースとして大車輪の活躍をしてチームとして得点力が無く守備力も弱いのにサイヤング賞級の成績を残したことは得点力が高く守備力も強いチームに所属している選手より価値あると判断します。
いずれにせよMVPを決める上では優勝請負人であるかどうかというよりもそのチーム状況における価値の割合の大小を判断材料にすべきというのが私の考えです。
そしてそれを平等に図った場合大谷選手が圧倒的に大きな割合でチームに貢献している価値があるということになります。
MVPは基本打者から選ばれるべきである
投手にはサイヤング賞というものがあり故に打者にはMVPを与えるというのが過去の通説のようにメジャーリーグではなっていました。そこに二刀流という大谷という選手が登場したことで議論が生じてきました。
結局ここもMVPという言葉の意味に立ち返るべきということになります。
何度も繰り返すようにMVPとはmost valuable player 最も価値ある選手であり、MVB、most valuable batter、最も価値ある打者ではないということです。
実際にはMVBはハンクアーロン賞というものがあり、そちらでは今季は文句なしでアーロン=ジャッジ選手が受賞されるべきなのですが、こちらは歴史がないということでMVPが打者の賞というような感じとなっているようです。
この辺はデータ重視だサイバーメトリクスで客観的に選手の価値を評価するといった米国にしては随分と主観的な風潮だなあといったところです。
いずれにせよMVPはMVBではない以上、MVPは基本打者から選ばれるべきであるという主張は感情的にすぎるということになります。
人間的な賞
最後までお読みいただきありがとうございました。
しかし結局はとある記者の投票によって決まるという事実がすべてをうやむやにすることになるでしょうね。
WARでもなんでも客観的な価値評価基準を数値化してそれが高い方で決まりとするなら何も議論はなくなるわけです。
そういう意味でMVPは主観的な人間である記者たちが特に価値基準の規定なく選ぶという意味で議論を呼ぶ面白い賞であると私は考えています。
客観的機械的に選ぶAIが面白くなく主観的感情的に選ぶ人間が面白い理由ですね。
AIより人間がやるからそこに価値がある、AIに対して人間が優位性のある唯一の点です。
AIロボットがやる野球など見ててつまらないのです。
人間がやる野球だからこそ見てて面白いわけですね。
野球きちがいである人間、大谷翔平を見るのはワクワクするわけです。
MVPが誰になるかは分かりません。
何故ならそれを選ぶ共通の価値基準がない特定の人間だけが主観的に選ぶMVPだからです。
しかしだからこそ面白いし議論を呼ぶ、人間らしい賞であり、AIやらIoTやらがもてはやされている時代において人間として生きるヒントとなる事例だと思います。
今日は相場とは全く関係ない話題でしたが、最終的には結びついてきましたね。
AIアルゴトレードを打ち負かし続ける相場きちがいである私翁もまだまだ現役で頑張りますぞぉ