投資家としての経営者

独活日記(相場を生き抜くために)

企業にとってどんな経営者かは最も大事です。

投資家として投資判断する上でもどんなビジネスかよりもどんな経営者かの方が大事なのですね。

相場師としては主題が大事でその都度の花形業界銘柄に向かっていき経営者の言葉など完全無視な売買をしていくわけですが、純粋に投資という視点で見ていくと何よりも大事なのが経営者の質となります。

今日はこのことを考えてみたいと思います。

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経営者が語る言葉

経営者が語る言葉についてはすでに述べておりますのでそちらを見ていただければと思います。

そちらでも述べていますが経営者が語る言葉は常に割り引いて投資家としては見ていかねばなりません。

何故なら経営者は常に自社を良く見せようとして演出するからです。

ネガティブ面をいかにオブラートに包んで隠し、ポジティブ面をいかに強調して自社の可能性を大きく見せるかといったことにこだわるからです。

いわゆる薔薇色な成長市場に自社は参入しており、ライバル他社よりこれだけの優位性独自性があると強調して、新興企業経営者なら指数関数的成長を、大企業でも持続した成長を目標として語ります。

目標数字として大きな数字を目標にすることは意欲的な経営者であれば当然のことです。

保守的に目標を立てながらも膨れ上がる収益が隠せないほどに上方修正しまくる企業は珍しいのです。

経営者が語る言葉は常にそのようなある意味では妄想の世界にある言葉であるということをしっかりとまず認識しておかねばなりません。

優秀な経営者

投資家として優秀な経営者と判断する材料はいくつかありますね。

どんな花形業界にいるかいないかということは実のところあまり問題ではありません。

優秀な経営者ならどんな業界においても衰退業界なら圧倒的再生企業に変身させますし、もちろん花形業界なら数多くのライバル企業を押しのけてのし上がっていきます。

総じてどんな業界にも優秀な経営者はいてそういう企業に投資すれば10年20年スパンでは圧倒的な収益を投資家にもたらしてくれます。

問題はそういう優秀な経営者をどう見抜いていくかということです。

これは確かに難しいことですね。

そしてある程度時間がかかるものです。

その経営者が述べていること、もちろんビジネスの目標や推移、結果も検証し続けながら少しずつ分かってくるものです。

とある人間を理解するということはそういうことであり、ちょっと会っただけでその人間はこういう人間であると断定してしまうことは大きな間違いです。

経営者も当然人間ですからある程度の期間は付き合い続けるしかありません。

現在はインターネットで経営者自らの顔や声で自社の説明会を動画でアップしている企業が多いですからそういうものを見続けてその経営者の能力を少しずつ見極めていくことが出来るでしょうね。

昔と違って良い時代になりましたね。

私の好きな経営者

いわゆる戦後ベンチャー企業からグローバル大企業へとのし上がった有名な日本の経営者たちは偉人伝なども多数出ていますね。

ソニーの盛田氏、パナソニックの松下氏、京セラの稲森氏等々少なからずの経営者の偉人が出てきました。

その中で私の好きな経営者はまずはソフトバンクの孫氏ですね。

彼は現在初心に帰る形で投資業に専念して日本のバフェットとして活躍している段階で株価が大暴落して大赤字となっては駄目だ倒産だとかもう何十年も言われ続けてきて在日朝鮮人を親に持つからなのか酷い批判を一部からされてもいますが、彼の日本国家への貢献は計り知れないものがあるでしょうね。

彼がいなければ恐らくインターネット革命は日本では10年は遅れていたでしょう。

確かに韓国へアドバイスをして韓国を日本より早くブロードバンド大国にしてインターネット大国にしており、彼に国家観はないでしょうね。まさに国境なき世界を作ると決算説明会などでも標語としていましたからグローバリストでしょう。

しかしそれでも今日において日本が多少なりともインタネット関連サービスにおいて米国からの遅れを取り戻せたのは彼のインターネット革命と称した事業展開のおかげです。

そこへの感謝があるという点と、もう一つはやはり投資家としての優秀さでしょうね。

今でこそM&Aも積極的に活用すべきであるという時代に日本もなってきていますが、かつては一から事業を生み出して成長させるのが正道でM&Aで出来たものを買収して企業を大きくしていくのは邪道であると強い批判が日本ではされていました。

その中で孫氏は果敢にM&Aを繰り返して失敗と思えば損切りも辞さずに敢行して投資を続けてまさにバフェットのように活躍して今があるということになります。

コロナパニック相場で厳しい状況の時にはソフトバンクは倒産するだなんだといった会社を自分で創立して大企業に育て上げたこともない経済評論家が愚かなことを述べていましたが実際はそういうことにはならないでしょうね。

彼は優秀な投資家です。もちろんいつかは引退することになるでしょうが、投資家というのは経験を積み重ねて生き残り続けることが出来ればその能力は日増しに積み重なって成長し続けますのでますます優秀になっていくだろうと私は見ております。

もう一人は日本電産の永守氏ですね。もう75歳くらいでしょうか。老いてもなお盛んに突き進んでいます。

M&Aを繰り返して非常に大きな会社に成長させています。

最初は小型モーターで世界トップにのし上がったわけですが、新規上場当時は売上数百億の上場企業としては小さな企業でした。そこから数多くの優秀な技術を持ちながら経営不振に陥った企業をM&Aして自社に取り込み再生してシナジーを生み出して高成長していきました。

ソフトバンクの社外取締役にもなったことがある人です。

やはりこの人もM&Aを決して軽視しないでむしろ積極的に行ってもちろんただ闇雲にM&Aして売り上げを極大化するわけではない選択眼もある、結局は投資家としても優秀な経営者ということですね。

私は相場師という分類ではありますが資金を投じるという意味で投資家であると考えていますのでやはりこういった投資家という側面でそれを嫌悪しない馬鹿にしないむしろ積極的に行っている優秀な経営者を好みます。

投資家として経営者をどう選ぶか?

これは私の判断で私は厳密には相場師ですので長期投資はしませんので参考にならないかもしれませんが、投資家として経営者をどう選ぶかに関して私見を述べたいと思います。

まず第一にM&Aをしているかどうか?

ここは大事な点だと考えています。日本の経営者には少なからずなのですがM&Aを毛嫌いしている経営者がいます。

このような経営者はほとんどが最終的に圧倒的に大きく高成長する企業経営者にはならないですね。

スタートアップ企業であればまさに一から始めたビジネスだけである程度の規模までの高成長は可能ですが、そこから先はどうやってもM&Aを積極的にしていかないと大きくはなっていかないからです。

投資家という視点からは長期にわたって投資すべきは規模が大きくなっても高成長していく企業です。

従って経営者がM&Aを辞さずに行い続けているかどうかという点は大事です。

もちろん闇雲にやる企業は注意しなければならないですが、適正な水準で適切な企業に対して継続的に行い続けているかどうかということが大事ということになります。

第二に極大な目標を掲げ続けているかどうか?

最初に述べたことと矛盾するかもしれませんね。

しかし売上利益を極大化し続ける意欲無き経営者に投資し続けるべき理由は見当たりません。

何故なら投資とは資金投下してその企業が成長続けていくことで資金を大きく膨らまして資金回収することだからです。

万年赤字企業やら無成長企業などはさっさと上場廃止にすべきなのですね。

そういう企業が存在してはならないなどとは言いませんし、そういう企業がほとんどとなる現実ですから仕方ないのですが、常に成長し続ける意欲無き上場企業経営者はさっさとMBOすべきなのです。

株式上場するということはそのこと自体が目的ではないのです。そこから会社が大きく成長するために様々な意味で活用していくための場なのです。

ですからとんでもない目標を掲げるものだと思われる企業の中から大成功企業が生じることは間違いありませんので投資先企業としてはそのような経営者の企業を選択すべきということになります。

ただ何の裏付けもない妄想数字を語って指数関数的成長するなどと述べている似非経営者も多いのでその辺は取捨選択しなければなりません。

結果達成が難しいとしてもその数字が出る根拠を十分に納得できる形で説明できている経営者を見極めると良いですね。

極々僅かですが非常に論理的に説明できている優秀な経営者は私自身も見かけます。

第三に大株主に社長の名前があるオーナー企業であるかどうかですね。

新興企業はその多くがそういうことになっていますからその後の推移をしばらくみて社長がむしろ自社株を買い増しするような意欲のある会社かそれとも社長がどんどん売って行って大株主から消えてしまうような自社の将来性がないと自ら認めているかのような経営者かどうか見極めなければなりません。

大企業になってくれば多くの投資家が集まってきますので相対的に社長が少なくとも筆頭株主からは落ちていったり比率は下がっていきますがそれでもしっかりと上位に乗り続けているかどうかは非常に大事です。

ここから分かることは経営者自身が成長意欲を持って自らを追い込み続けているのかどうかが見えてきますのでそれが維持されている間は可能性はあるということですね。

そうではない企業は総じて圧倒的収益となる可能性のある投資としては不適格企業と見なしても過言ではないでしょう。

その企業の経営者は誰なのか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

投資家として経営者を見極めることは大事なことです。

そしてその見極めは難しいものですね。

花形業界はライバル企業が複数表れて競争が激しくなって淘汰されますし、衰退業界はライバル企業は少なくなっていくものの業界そのものが衰退しているわけですからその中で生き残ることは難しいわけですね。

従って投資という視点からはその企業がどんな業界にいるかは重要ではなくその企業がどんな経営者であるかが非常に大事なのです。

ソフトバンクの孫氏は創業間もない頃、少ない社員の前に段ボールの上に立って売り上げを豆腐を数える規模にする、つまり売上兆円企業にするととてもとても遠い数字である現状の業績水準の段階で述べました。

そこでそんなとんでもないことは無理だと思えばそこまでですし、孫氏のように本気で信じ続けてその実現のためにリスクを取って挑戦して実際に実現させてしまい今度は利益を豆腐を数える規模にすると述べてそれも実現させてしまいました。

経営者がそういう大言壮語をしたときに私はすぐに一蹴することはありません。

それは私自身相場師として潜在意識の重要性を知っているからです。

思い続ければ成すという言葉は真理なのですね。

もちろん言葉で言うのは誰でもできますし数多の経営者がそういうことを見せかけで述べていることはありますからその経営者の本心がどこにあるのか分からない以上、一定期間観察し続けて上記したことをしっかりと実践しているかを見て判断するしかありません。

相場師としては長々と述べたこれらのことすべてどうでもいいことであり、経営者の言葉は無視するわけですが、投資家としては巷ではどうも銘柄選択が大事だとしてこれから伸びる業界だビジネスモデルだ財務分析だ割安だなんだといったファンダメンタル分析を述べるわけなのですが、そんなことよりもずっとずっと大事なことはその企業の経営者が誰なのかということなのですね。

その辺の人物の見極めが出来る人間観察眼の優れた人なら優秀な長期投資家になれるのでしょうね。

優秀な経営者はどんな業界に行っても自社を高成長させます。

しかし優秀ではない経営者はどんなに圧倒的可能性のある業界に行っても自社を成長させ続けることは出来ません。

投資家としては巷の多数派とは違うこの少数派の思考を身に着ける必要があるのではないか?

私はそう考えています。

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