配分と聞くと資金配分ということを考える投資家がほとんどです。
50%はキャッシュポジションに常にしておいた方が良いだとか、一銘柄に対して何%までを上限として資金配分した方が良いだろうということを考えます。
もちろんこのことは大事ではあるのですが、この手の話はどこにでも転がっている話であり、最低限の基本というものを抑えたうえで細かい数字に関しては自分で好きに決めればよいことであり私としては述べるまでもないことかなということになります。
それよりも配分に関してはもっと考えておくべき大切なことがあります。
今日はこのことについて述べてみたいと思います。
投資手法におけるあなた自身の心の配分
投資手法は様々です。
優位性のあるものであるなら何でも構いませんし、それは無数にあります。
一方で無数にある故にあなたが何を選べばよいのかわからなくなるといったリスクがあります。
故にあなた自身の心を良く見つめてその配分を考えてみる必要性があるのです。
どういったものへ心を配分した投資をするべきなのか?
投資手法におけるあなた自身の心の配分が適切であることが非常に大事なのです。
時間への配分
まずは時間への配分ということを考えてみましょう。
この代表格はバフェット式ということになりますが、時間を味方につけた長期投資法、優良株を安い時に買って保有し続けるという発想です。
ボロ株に分散投資してその中から大復活を遂げる銘柄をいくつか掴んでいくという投資法もありますね。
これらに共通したことは時間に大きく配分しているということです。
時間に大きく配分するということはどういう意味でしょうか?
まず優良株が安くなることは滅多にありません。
10年スパンであることも多々ですね。
現在のような高値圏の相場においては優良株はすでに割高な水準まで買われているのが普通です。
こういうときは株価が全体的にも上がってますのでどうしても買いたくなってしまいますが、そこでじっと我慢して本当に割安になるまで忍耐強く待たねばならないということです。
この待つことがとても難しいのです。
自分の姿勢を時間に大きく配分するということはまさに人生を長期計画で30歳までに何する、40歳までに何する、50歳までに何すると決めていくようなものでありそれが出来ている成功者は数少ないようにじっくりと待ち続けることは人間心理的に非常に難しいのです。
適当に有名株を買って生涯保有し続けることは誰でも可能です。
しかし本当に割安な時だけ優良株を買うことは至難の業なのです。
ボロ株投資も恐怖を感じる投資家がほとんどです。
馬鹿にする人も多いですね。
なんでそんな危ない株を保有するんだと言うわけです。
確かに上場廃止さえあり得るような銘柄も少なくありません。
そういうリスクをすべて排除出来るわけがありません。
そもそも株価が安値で放置状態のボロ株に投資するわけですから投資額すべて失うリスクもかなり高いことになるからです。
そのために分散して多くのボロ株を同時に購入するということになるわけですね。
これは一見収益が出なそうに思えるかもしれないのですが、ある程度数多く分散投資すれば中には奇跡の復活を遂げる銘柄も出てくるわけですね。もう継続前提疑義されて上場廃止リスクが高まっているところから何らかのきっかけで疑義が取れて大赤字が消えて黒字化し、さらに高成長を果たすなどといったシンデレラストーリーをもたらす銘柄もたまにあるのです。
つまりボロ株10銘柄に分散投資し、2,3が上場廃止となって、5,6がボロ株のままだったとしても、1,2がボロ株故に徹底的に安値放置されていた株価で投資していたことで10倍100倍と株価上昇が起こることで総合的にはすべての損失を埋めて余りある利益をもたらしてしまうというわけです。
何か薔薇色な投資法のようにお感じになられたかもしれませんが、これを忍耐強く継続するのは精神的に至極困難なのです。
日々倒産リスクにおびえなければなりません。
安値低迷が何十年も続く可能性もあるからこそボロ株なのです。
そういった精神的ストレスを乗り越えて奇跡的な復活をもたらす極々僅かな銘柄を掴むまで我慢強く投資を継続していくことは至難の業なのです。
これもまた時間というものに大きく配分されたやり方ということになります。
現在コロナウイルスでバブル化しているバイオ株などはこういったやり方の典型例でしょうね。
バイオ株などは業績赤字垂れ流し状態の企業がほとんどであり、株価の評価指標が常識的ではありません。それ故に動き出すととんでもないバブル相場を生む局面が数年に1回はあり、そういったものを現在のようなバブル時ではなく、バブル崩壊後底練りして低迷し続けているときを見計らって分散投資していけば今回の新型コロナウイルスでは新型インフルエンザとたいして変わらないのに大パニックを起こしてバイオバブル相場が形成されて大利が出るわけです。
こういったことが数年に一度起こっていますからこういった株価低迷時のバイオ株投資をして何年も待つというやり方も可能というわけですね。そしてこのやり方はいわゆるボロ株分散投資のやり方と基本的に同じというわけです。
時間に大きく配分したやり方ということになります。
頻度への配分
私は時間よりも頻度への配分を大きくしたやり方をしています。
基本は不確実性のリスクを最小限に抑えることが主目的です。
ですからまさに目の前の動いている株に果敢に取り組むということですね。
今日上がっているものを買い下がっているものを空売るわけです。
多くの投資家たちは株価が安い時に買って高い時に売らねばならないと考えています。
それは何故か言うと株価が上がれば割高になり乖離もし、売りたいと思う人が増えて株価が下がる確率が高まっていくからです。
ですから株価が安い時に買って高い時に売らねばならないと考えるわけですね。
確かに個々の取引における成功確率は高まるわけなのですが、株価が下がったときに買うという意味で要するに下落トレンド形成中となってしまっているところを掴んでしまうリスクがあり、その場合時間的拘束を受けるということになります。
私はそちらの方を嫌うので上がるものを買い下がるものを空売るわけですね。
これは頻度への配分を大きくしているということになります。
確かにただいま上がっている株を買うということは株価が下がる確率を高めている段階であえて買うということであり成功確率は低くなります。
しかし確率は低くなりますがそれはゼロではないわけですね。
つまり上がると思って買ったが下がったら即損切りすることで迅速処理し、例外的に上がると思って買った後ぐんぐんと含み益拡大していく銘柄をたまに掴むことによって、多くの小損となった合計損失を埋めて余りある利益を出すことで総合的利益を得るということになります。
つまり確率的思考によって売買頻度を高めることによってやり続ければやり続けるほど自動的にどんどん総合的利益を叩き出していくといった状況を作っていくということですね。
この頻度に大きく配分したことの大きな長所は長期における不確実性のリスクを軽減できるということです。
投資は長期で持てば持つほど不確実性のリスクを高めます。
その銘柄の個別事象におけるネガティブサプライズが起こるリスクを常に抱えることになりますし、全体相場における投資すべきではない環境になっていてもポジションを持っているリスクを抱えることにもなるわけですね。
また銘柄を当てる必要性もありません。
銘柄を当てるためには時間が必要となることがほとんどですが頻度に配分しているとその銘柄がどういう銘柄であれ関係なく大きく動く銘柄のポジションを取ることに勝手になってしまいますので全く意味を為さないものになるからです。
長所ばかり述べてしまいましたがもちろん短所もあり、それは勝率が低いということです。
高値追い安値追いは確率的には確かに失敗可能性が高いというわけですね。
従って頻度に配分を大きく置きながら頻度をこなし続けることに耐えられるような勝率ではない故に継続しづらい、途上で諦めてしまう、これでは駄目だと感じてしまう投資家が多いということになります。
この辺の短所を容認できない人は私のやり方は難しいということですね。
あなたの心を配分する
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの心をいかに配分するかが大事です。
時間に配分するのか、頻度に配分するのか、いわゆる投資家は時間に配分する人が多く、いわゆる相場師は頻度に配分する人が多い傾向にあるでしょうね。
そのバランス配分とも言えるのですが、いずれにせよあなたの心が安心できるというか、納得できる配分を見つけてみてください。
もちろん時間や頻度以外の部分に配分する方もおられるかもしれませんね。
大事なことはあなたの心がやりやすいと思えることをやるということでしょう。
何故ならそれが最も適切に継続的に実践できる確率が高いからです。
今日もあの銘柄がいいこの銘柄がいいばかりの相場界隈ですが、そんなくだらないことよりも大事なことはあなたの心の適切な配分なのです。