さて来年の展望をいたしましょう。
とはいえ私は評論家ではなく実践家ですからああだこうだ理屈を垂れる気はありません。
そしていきなり結論を言いましょう。
来年も基本買い姿勢で良い。
これで終了ですね。

この長期チャートがすべてを物語っているというのが今日現在における客観的な実践判断ということになります。
とはいえ同時にもちろん予期せぬ事態によって乖離調整局面となる年となるリスクはいつでもある状況でもあるということもまたきちんと述べておかなければなりませんね。各種移動平均線からの乖離が大きくなっており最低でも高値もみ合いによる時間調整年となる可能性は十分に大きいと述べておかねばなりません。しかしこちらは相場の常識ですから言うまでもない話とも言えますので問題ありません。
高市政権がカギ
高市政権が今のところは素晴らしいということになりますね。
各種減税を懸命に先延ばしにし続けてきた石破政権、岸田政権と比較してこの年末にかけての補正予算における矢継ぎ早な成立の連続は高市総理となったから以外に考えられないと評価するのが客観的な冷静な評価です。ここを冷静に報じないのはその時点で変な感情的反発が入っている間違った評価ということになります。残念ながら結果がすべてですからこれらの事実がこの年末までであっという間に出ている時点で今のところ素晴らしいと評価する以外に評価できないのです。細かく述べれば減税規模が小さい、日銀の利上げを容認したという批判点もあるのですが、総合的には石破政権でも岸田政権でもやらなかったことをこの短期間でやり尽くしているという事実だけでもどう考えても素晴らしいと評価せざるを得ない現段階となります。
従って高市政権は駄目だとかいまいちだとか述べている人たちはただただ反高市をしたいだけの人たちということになります。
もちろん来年初の通常国会から果たしてどのような展開を繰り広げていくのかがカギであり、それはまだ始まってもいないですからこれから評価が変わる可能性はもちろんありますし、その経過を客観的に見守る必要性はあります。そこでどのようなものが提出されてどんな予算編成となって新年度を迎えるのかで最終評価をすべきであることは確かですが、現段階では今までの政権と比較して評価せざるを得ないですね。
つまり補正予算に関してはしっかりと責任ある積極財政規模となっており、適切です。
これによって日本国内経済の下支えになるだろうと思います。
もちろんこの補正予算などやっても無駄だ、国民のためにならないという批判ならきちんとその根拠を提示して批判すればよいのです。それなら反高市ではなく真っ当な高市政権批判となります。しかしその批判は現在の経済情勢からして論理的には破綻しているだろうと私は思いますけどね。
後は消費税減税を象徴的に各種減税も組み合わせてやっていけるかどうかというところですね。こちらは少数与党であり党内野党でもある高市政権が果敢に実践できるかどうかは未知数です。現在の状況ではかなりの強権発動となり反発も強くなります。
日本維新の会に影響されすぎて無駄の削減というものに邁進して歳出削減ばかりでしっかりとした減税が出来ないリスクもありますし、脆弱な政権基盤による国会での苦戦によって財務省と妥協を重ねてしまう、つまり隠れ増税的な今までの岸田政権や石破政権で行ったことの繰り返しリスクがあるというところが注意点ですね。
どちらも十分にあり得るリスクであり、日銀の急進的利上げ方向性などでリスクが露呈しつつありますが、この打破のためには盤石な政権基盤が最低限必要になってきます。ここは私は高市総理を妄信することはありませんから冷徹に推移を見守っており、いくら政権基盤が弱くても致命的な隠れ増税するようなら徹底的に批判することになります。
また多少は反高市の方々が人間性や人格批判ではない点としては中国への対応、軍事増強傾向への批判ということになるのでしょう。反日反戦主義という思想を大前提にすれば中国とは仲良くしなければならない核兵器など持ってはいけない、軍備増強で中国を刺激してはいけないということになるのでしょう。しかしこちらは論理的破綻しており、高市総理の台湾有事発言は普通に国際社会ではまともな政府対応でありどの国でも当然のごとくやっていることです。核兵器保持は米国が許さないという意味で現段階で現実的ではありませんが、将来的に保持する可能性を含めて議論することは政治家であろうと内閣の一員であろうとも個人的には問題なく現実的には原潜導入が最適だろうと私などは考えますが、いずれにせよ中国の侵略意欲、ロシアのウクライナ領土一部併合、北朝鮮の核保有間違いなし環境といった隣国の厳しい侵略性を考えれば防衛力増強はやむを得ず、というよりやらなければむしろウクライナのように侵略されてしまうリスクが高まりますので高市総理の方向性こそがリアリズムに基づく現実的な国家対応ということになります。これに反論するためにはこういった侵略意欲を隠しもしない独裁隣国国家たちに対して軍事は増強せず、非核三原則を厳守し、阿り外交をして本当にウクライナのようにならないのかということを証明しなければなりません。国家の安全保障といった我々が自由に好きな人生を平和に生涯送れるためのの大前提となる環境構築の危機ですから代案となる誰もが納得行く対処法を提示しなければならないのですがそれを提示せずにただただ批判するだけという意味でむしろハイリスクな言動ということになるのです。従ってこの分野においてもやはり岸田政権石破政権でリスク拡大していたところで高市政権となって劇的に変わってその敵国の侵略リスクを減らす適切な実践をしつつあると高評価するのが冷静な客観的な分析ということになります。
いずれにせよ解散総選挙をどの時点で出来るかできないかが高市総理にとってはカギとなり、支持率の推移も含めてそのタイミングが非常に大事となってくる年になるでしょうね。
来年のどこかの時点で解散総選挙があり、そこで高市政権が盤石の体制となるような数を取れるかどうかということが何をするにも最重要事象ということになります。
そしてその結果によってももちろん日本国内経済、日本国の方向性が決まっていき相場にも多分に影響を与えるということになりましょう。
ただ石破政権が続いていたり、小泉政権であったら責任ある財政拡大はあり得ず財政緊縮主義の継続となっていましたから日本国内経済は深刻なスタグフレーションリスクが生じていたことでしょう。それが無くなる可能性が高くなったという一点で高市政権となって日本国民にとっては祝着だったということになりますね。
日銀の反抗を見ていれば分かる通り依然として反高市勢力が多数派となる狭い道ですが、高市政権の行方が日本国内経済にとってのカギとなることは間違いないでしょう。
トランプ大統領の行方
そして世界経済にとっては当然ながらトランプ大統領次第ということになります。
今年こそはウクライナ停戦となると良いですね。もうトランプ大統領の一存で何とかなる事態ではなく、すでに停戦に向けての仲介は終えており、後は当事者同士次第ですから当事者同士で合意できるかどうかという段階に入っています。戦争の現況はロシアが着々と支配地域を広げているという状況ですからプーチン大統領としては無理に停戦する必要性はないというところが痛いところですね。ウクライナ大統領の完全な失態ということになります。早期停戦交渉をしてまだ十分な反撃が出来ている段階で停戦合意すべきだったのですが、残念ながらその決断をすることが出来ませんでしたのでさらに支配地域を広げてしまうというウクライナの国益を削ぐ結果となってしまっています。これをさらに削いでいくのかどうか今年分かってくるのでしょうね。
双方の国民のことを考えるなら一日でも早い停戦合意が大事です。
そしてそれはもちろん相場にとっても良いことですね。
トランプ大統領としては中間選挙なども控えて内政に集中しなければなりませんので来年はあまり外政で派手に動くことは今年ほどはなくなるというのが当然でしょう。
つまりウクライナとしてはトランプ大統領の最後通牒のような段階にまで入っていると私は見ますね。忸怩たる思いはあるとは思いますが国民のために苦渋の決断が年末年始なるべく早い段階で出来るかどうかでしょうね。長引かせれば長引かせるほど支配地域が広がっていき最終的にはウクライナ国が無くなるリスクも生じてくるということにどこまで危機感を持てるかということになります。本当に冷酷な話ですがそれが戦争に陥ってしまった当事者国の現実です。勝てば官軍負ければ賊軍なのです。我々日本も先の大戦で負けたことの負の遺産を未だ払い続けているのです。したがって戦争は常に勝てる確率の高い戦争だけをやることが大事なのですね。
相場の行方
米国経済においてはFRBの利下げは引き続き緩やかに行っていくでしょうが、高インフレリスク再燃というものには注意しながらということになります。米国経済にとってはここが本当に要注意であり、ここを上手く乗り切って中間選挙も乗り切れれば米国経済の繁栄が待っていて米国市場はNYDOW50000ドルはもちろんのこと、そこも通過点となっていく時代が到来していくのでしょう。
AI革命に関しては両論ありますが、業績という結果の推移を見ていると本物のように私には見え、そしてその裾野は単なるAI企業にとどまらない大きな産業規模があり、インフラ革命的な大規模な市場がある可能性が生じつつあるというのが現段階での私の評価ですね。綺麗な文章や画像や動画が生成できるといった趣味程度の革命なら全く意味がなく実際の各種ビジネスにおいて圧倒的な業務効率化が出来るのかということが大事となり、それが出来るAIを利用した組み合わせをもたらす企業群が米国で評価されつつあるということが明らかになりつつありますのでそういった時代に本当になれば人件費というものが大幅削減となり先進国の多くが苦しむ人手不足の対応のために少子化対策や移民政策など全くしなくてよくなる時代の到来可能性があるという意味で素晴らしいAI革命時代となる息の長い市場になり得る可能性があるということを述べておきたいと思います。現段階ではAIがいくら賢くても実務では結局全然結果が出てこないといった疑問が生じているのですがその解決がされる可能性が見えるかもしれない2026年ということですね。
日本は日銀の利上げ方向性は間違いないでしょう。そしてそれが緩慢な方向性であるならさらにもう少し利上げしてもよいだろうとは思います。ただ今回の補正予算で懸命に財政拡大しようとしているタイミングでの利上げは駄目であり、そして高金利になるほどに利上げすることになる経済情勢になることは長期的にもあり得ず、低金利で打ち止めそれを維持するのか、再び利下げに向かうことになるのかといったあたりが日銀の限界ということになるでしょうね。そして植田日銀総裁の口ぶりからすると急進的な利上げリスクが高まりつつあるなあと私は危惧しています。
そして為替という意味ではFRBが多少利下げしようが日銀が多少利上げしようが、いやむしろかなり予期せぬほどにFRBが利下げし日銀が利上げしたらなおさら長期円安方向性確度が高まることになるだろうとみております。
こちらは確度が非常に高い事象ですから本当にここに反する行動はしないように気を付けてくださいね。
円安批判をし円高にしなければならないという愚かな論調があるのですが、為替操作など出来ないというのが第一点で円安になろうと円高になろうとそこに応じて適切な対処をすればよいだけの話であるということをきちんと理解すべきであるということになります。
つまり政府としては円安でメリットが大きい人たちに対しては邪魔せずそれを享受してもらって円安でデメリットが大きい人たちに対しては積極的に補助金などで対応し救っていくということをやればよいだけなのです。
為替が円安でなければならない円高でなければならないというものは自国だけで決められないのです。
大事なことは長期的な方向性をきちんと認識した上でそういった時代において適宜適切な手を打っていけばよいということなのですね。
ここを間違って財務省のように為替変動で善悪を述べてはいけないのです。
いずれにせよ長期円安方向性は変わらないというのが私の変わらぬ自己主張となります。そしてそれが前提となるなら株高方向性も間違いないだろうと思います。株式市場という点においては円安株高方向性というのが相関しやすく円高株安方向性というのが相関しやすい時代が長期においては高確率事象だろうということになります。
いつも考えながら楽観も悲観もしない精神性
最後までお読みいただきありがとうございました。
来年はどんな相場付きとなるでしょうか?
私には皆目見当が付きません。
相場師としてやるべきことは簡単です。
上がるものを買い下がるものを空売る。
つまり市場の考えに従い続けるだけで良いのです。
現在は長期上昇トレンドが続いています。ゆえに上がるものを買っていれば問題ない状況が続いています。
しかしここには一つ落とし穴があります。
それは長期下落トレンドが続く時代が来た場合は上がるものを買うことだけしかやっていない人たちは酷い状況に陥るリスクがあるということです。
ですから私はいつも下がるものを空売りなさいということを付け加えています。
決して忘れないようにです。
長期的に、といってもたかだか10年20年程度ですがそれが継続した場合多くの投資家たちはそこに強いバイアスを抱いてしまいます。しかしそれをすべて覆す時代が到来しないと断言できるほどの根拠はどこにもありません。
つまり長期下落トレンドというものの可能性は常に意識しておかねばならずそのときにはプロの相場師なら当然ながら空売りを断行出来ていなければならないということになるのですね。
全く基本買い姿勢でよいと冒頭に言っておきながら元も子もないですね。
しかしどちらも正直な私の思考であり何も矛盾はしないものです。
相場とはそういうものでありそこで相場師として長年生き残り続けてきたからこそ、そしてもちろん紆余曲折色々経験してきたし、もちろん失敗も数多く繰り返しながら培ってきた真理なので私はただただ真摯にすべての相場師たちのために述べているということになります。
来年は年初は明るい年となりそうです。日本に高市総理がいて米国にトランプ大統領がいるという時代がまさか来るとは全く思わなかったのでまさに政治も何事も起こり得るという感じですね。
後は予期せぬ非常事態が起こるかどうかということでそれが相場に影響を与えるリスクは常に考え続けておかねばなりません。
プロの相場師の精神性はいつも考えながら楽観も悲観もしないというところにあります。
それでは良いお年を!
