いつも満点を取る秀才はいましたね。
自分にはできないという意味でそれも一つの才能と言えるでしょう。凄いことです。
ただ相場で満点を取ることは絶対に出来ません。
何故なら相場には答えがないからです。
従って満点を取ろうとする姿勢で相場を張ることは圧倒的なハイリスクとなります。
今日はこのことを考えてみたいと思います。
満点を取れる大前提
満点を取れる大前提があります。
それはその対象となる課題が必ず論理的な解答を保持しているということです。
いわゆる受験勉強などが象徴的にこの問題に対してこの解答というものが必ず用意され、それと異なる観点からのもう一つの正解というような曖昧なものが生じるとむしろ大問題になってしまいます。
受け取り方によって解答が異なるというような非論理的な問題になると数字としての正確な比較基準とならないからです。
つまり満点を取れるものというものは総じて一つの問題に対して一つの正しい解答があります。
これが満点を取れるものの本質です。
相場は論理的でない
相場は論理的でないと述べると語弊があるかもしれませんね。
正確に述べれば常に論理的というわけではない。
と述べた方がよいでしょう。
いずれにしても絶対に満点は取れません。
ここに大きな落とし穴があります。
つまりこうなればこうなるああなればああなる。
一つの問題に対して一つの正しい解答が必ず導き出されるもので高得点を取り続けてきた人ほど相場では成功しにくいということになるのですね。
自らの圧倒的成功体験が大いなるリスクとなってしまうのです。
相場は論理的でないと考えておく方が良いでしょう。
実際には論理的に動くこともあるのですが、人間心理としてその可能性を少しでも持ってしまうとそういうものを常識として持っている多くの現代人にとってはそこに固執しやすくなるからです。
最初から論理的でないと認識しておくことによって満点を取る。
つまり底値で買って天井で売るような満点売買をいつもいつも行い続けていくなどということを思考することを諦めるようになれるのですね。
私は落第点ですが生き残っています
私のことを例に出すと私は相場で落第点の人生を送ってきました。
満点は当然遠く及ばず、高得点も取れず、及第点さえ取れない、失敗ばかりの負けてばかりの相場人生です。
しかしそれでも生き残り続けることが出来ます。
相場は高得点、要するに高勝率であるということは必須ではないだけでなく重要度は圧倒的に低いからです。
売買手法において何が大事かはもうすでにこちらで述べていますので忘れた方はもう一度読み返してみてくださいね。
私は勝率20%、つまり100点満点中20点の落第点を取り続けているわけですが、何十年も相場を張って生き残り続けてきました。
相場で必要なのは人生を生き抜く賢さ
相場では点数化出来ない部分、答えがいくつもある問題やそもそも答えようのない、答えのない問題に挑戦するといった、まさにこの世の人生を生き抜くための賢さが必要となってきます。
賢さというのはとある人にとっては上手い人付き合いであるかもしれないし、またある人にとっては芸術的センスかもしれません。
いずれにせよ点数化出来ない何かです。
相場も同様で相場においては迅速な損切り、臨機応変な環境変化への対処、事務的に売買できる機械性など相場を生き抜いていく賢さが必要になります。
及第点を目指せ
最後までお読みいただきありがとうございました。
私のように落第点になって特異な道を進む必要はありません。
しかし同時に絶対にできない満点を取ろうとして精神を窶れさせてはいけません。
及第点くらいでよいのです。
まあ概ね上手く行ったよね。
失敗もあったけどそこそこ成功しているんじゃないかな。
本音におけるぼちぼちでんな。くらいが丁度よいのですね。
そのくらいの精神的余裕を保持した姿勢で相場に取り組むことが成功し続ける投資家であるための鍵となるのですね。