組織というものは人が集まるところでは常に出来ます。
そして組織内で派閥ができて上下関係が生まれていきます。
人が集まれば当然それぞれの人の好悪が生じ人間関係性が出来て好きな者同士で群れるということが始まっていきます。
そしてそれが巨大な組織になっていけばいくほど長い時間が経てば経つほど腐っていきいわゆる保守化固定化していき、既得権益、既得概念が生まれそれを守ろうとすることによって弊害が生じていきます。
これが会社であろうと町内会であろうと、趣味のサークルであっても必ず生じる組織の本質です。
安倍総理もご出演なされた吉本新喜劇を興行している吉本興業の問題が参議院選挙にピタリと合わせるように色々と報道されている昨今ですので今日はこのことをじっくりと考えてみたいと思います。
サラリーマン視点
サラリーマンという方々は働く世代の9割がそうですから現代人の多数派はサラリーマンであり多数決であるならこのサラリーマンの方々の意見が圧倒的に強いもの、多数各所でも出てくることになりますね。
私も短かったですがサラリーマン生活を若い頃していましたからその視点から考えてみると吉本興業は会社ではないなという感覚になるでしょうね。
お笑い芸人はお笑いというものを愛しており、好き勝手にやっていることなのだから最低賃金保障もなく契約書面もなく会社という体を取っただけの会社所属ということで働かされても仕方がないという発想は多くのサラリーマンにとっては受け入れられないことでありましょう。
多くの会社は例外もありますが基本的には使えない未熟な新入社員を教育し成長させて会社に貢献できる人材にしていこうとすることを当然するはずですね。
本人の才能や努力差によって伸びに違いは当然出てきますがどうであれ会社に入社した人材を育てようとするのが普通であり、かつ今は貢献度が低い人材だからといっても会社から貰える給料だけで一応の生活はできる最低賃金を保障しないということはあり得ない話です。
実際私自身安いながらも固定給をいただいておりましたし、何もできない新米でありながら最低限のお金がもらえることに引け目も感じながら必死に成長しようと頑張り多くの方々に教育され叱咤激励されて少しずつ会社に貢献できる人材になっていきました。
そういう意味で吉本興業というものは会社組織ではないという疑問が生じますね。
経営者視点
経営者として会社を設立し運営してきた者からすると今回の社員の嘘から始まった一連の騒動は困惑せざるを得ないというところです。
最初に自身の保身のために嘘をついてお金を貰ってはいないと主張し他の部下社員にも口裏合わせをするように指示した時点で解雇するのは当然であるということと、会社の取引先企業への説明なども再度やり直さねばならず信頼を失ってしまうリスクも生じとりあえず静観してどこまで嘘をついていたのか、何を変更しなければならないのか、どう対処していくかをじっくりと分析して適切に実践できる時間が必要になるのは必須でしょう。
多くの人たちは経営者視点というものを自身の未体験から経験しておりませんのでそういう視点からの声は世間では小さくなってしまいますが、自身が経営者でいらっしゃる方々はこのような発想を持つ方も多いのではないかと思いますね。
組織を運営していく立場の人間は芸人ファーストなどという特定の社員のみを第一に考えるということをしてはならず、全社員を平等に扱おうとする姿勢が実際には差別が生じてしまうとしても基本にしておかねばならないことです。
そういう会社全体的なことを考えたときにいくら特別優秀な多くの稼ぎがある社員であろうともそれに見合う給料は払っているわけであり、嘘をつかれて二転三転させて会社全体の信用を失わせてしまう行為をされたらそれを見逃すことは出来ないのです。
普通の会社であればそうなるはずなのですがやはり吉本興業は会社とはとても言えず、コネのある特定社員の言葉で言動を変えてしまうような社長がいるということ自体が非常に異質な会社というより会社ではない異質な組織ということになりますね。
相場師視点
相場師視点なんてあるのですか?
と言われそうですね。
経営者、いわゆる事業者は働く世代の1割くらいの方々がいらっしゃいますが、相場師はそれよりもさらに少ない極々少数派の視点となり本当に声の小さい異質な視点となります。
相場師はある意味ではとあるお笑い芸人視点に近いという感じになります。
売れているかどうか、つまり儲かっているかどうかはさておき相場を愛して今日も損しても相場を張っているのが相場師ということですね。
その視点からは何らかの組織に属そうとする時点で甘いと言わざるを得ないということになります。
本当にお笑い芸を愛しているなら生涯路上でパフォーマンスをすればよいのですね。
私は相場を愛しているのでお金がないなら必死でアルバイトをして稼いでお金を作って相場を張りますね。
愛しているということはそういうことです。
組織に興味はないのです。ブランドにも興味ないですね。
有名無名も関係ないですね。
ある意味ではお金にも興味はないのです。
ただ私は今日も相場を張りたい。
本物のお笑い芸人はただ今日もお笑いを演じたい。
観客が少なかろうが、無名であろうが芸を人前で披露したい。
それだけが望みの愛すべき阿呆であるべきなのですね。
ただお金は生活していくために必要であり愛することをするためにある程度衣食住を確保して自分自身の体力精神力を保持する環境を作っておかねばなりませんからそのための手段として吉本所属という肩書きがほしいというのは一理はあるということなのでしょうね。
ただ特殊な相場師視点であるという前提に立って述べさせていただくとするなら生活できるだけのお金を貰えてないとか社長は自分たちのことを考えていないとか不満をツイッター等で述べるお笑い芸人は本当にお笑いを愛しているのか非常に疑問に思いますし、どんな艱難辛苦があろうとも生涯これで生きていく覚悟というものが足りない気がしますね。
厳しいようですが私自身いつもその覚悟をもって真剣に相場を張っており、一芸で生きるということはどんな分野の世界でも同じことだと思っており、お笑い芸人というものもその点において変わらない分野だと思っているので正直に述べました。
そういう厳しい道が自分には無理だと言うならまさに普通の会社に入ってサラリーマンになって暇な時間に趣味でお笑いをやるのが一番リスクが低い生き方なのですね。
政治と芸能界
最後までお読みいただきありがとうございました。
まあとても会社とはいえない組織である吉本興業ですが、正直な話一企業の内輪もめの話ですので日本という意味では非常にどうでもいい話です。
しかしマスコミは参議院選挙中であるというのに、それだからこそ大騒ぎをしておりました。
この政治と芸能界の裏の繋がりは今に始まった話ではないのですがよくやる手です。
今回の吉本興業の騒動も同じような臭いを感じます。
選挙の争点がはっきりしないものにされて投票率も低くなってしまったのはこういった事象に関心を分散されてしまったという要因も大きいものとなります。
まあこんなことで国の大事ととある一会社の不祥事を同列に扱う一定数の国民も酷いということになるのでしょうが、効果があることが今回も証明されてこういったことはタイミングよくこれからも利用されていくのだろうなあという思いを抱いている今日この頃です。