我々は意外と自分のことが見えていません。
自分のことは自分が一番よくわかっていると言う人は多いのですが実際には分かっていない人が多いのです。
ここに潜む心理は自信過剰、自尊心、自己への妄執、色々ありますがいずれにせよ自分の狭い狭い世界に閉じこもっている思考で一切他者の思考というものを取り入れようとしない柔軟な思考を持ち合わせていないということに主因があるのでしょう。
現実はそうではありません。
事実は小説よりも奇なりということわざもあるように理想と現実、理論と現実、合理と現実、すべて全く異なります。
つまり人間が考えることには常に限界があり、誤りがあり、あなたの考えも私の考えもいくら深い知識を学んでも長い有益な経験を積んでも一理を超越することは決してできず現実とは合わないことは生じ続けます。
相場の理はここにあります。
今日はこのことを考えてみましょう。
真昼の月
月はいつみられるのか?といったときに多くの人たちがイメージするのは夜に輝く月ですね。
しかし現実には月は夜に出てくるだけではなく昼間にも出てきているのです。
当たり前の話ですね。
しかしこの当たり前の話を最初から頭に出て来て月はいつみられるか?という質問に対して昼も夜もいつでも見られると即答する人は極々少数派だと思います。
大多数の常識として強いイメージを植え付けられている固定観念として月は夜に見られると感じている人たちがほとんどなのです。
こういったことにいつも人間の思考の現実との乖離が生じています。
空を見上げて真昼の月を眺めながら私はいつもこんなことを感じています。
真昼の月は実のところ頻繁にみられる現実なのです。
しかし確かに夜よりその輝きは小さく、見つけにくい環境ですからたいていの人たちはそこに注目することなく目の前のやるべきことに必死ですね。
相場は理想と現実の狭間の希望を表現している
相場というものを表現するとこのような表現となります。
月は夜のみならず昼も見えているという現実はもう事実としてそこにあるのですが、それをきちんと理解していない人は多い、気づかない人は多いという現実を直視して売買実践していかなければならないのが相場である。
相場はいつもこんな表現がぴったりとあてはまる場なのですね。
相場は常に理想を語ります。
人間の処理能力を圧倒的に超えるAIが合理化効率化を究極的にまで高めて素晴らしい幸せな時代が到来する。
これは理想であり現在の米国発のAI革命相場の熱狂は相場が理想を追い求めることを実証しています。AIバブル相場だと述べる相場素人たちも少なからずですがNVIDIAの業績推移を見ていたらそれは大間違いであることは明らかです。きちんと結果としての数字が根拠なきバブル相場ではないことを実証している現実もあるのです。
AIが人間を超える計算処理能力によって素晴らしい社会を形成して人間にとって幸せな世界を作ってくれるかどうかは未知数であり、私はないだろうなと考えています。
合理性だとか効率性だとかいったものは人間の幸せとは関係ないからです。
むしろ非合理性非効率性の中にこそ人間の幸せが埋もれていると私は考えているからです。
しかしそれでもAIを駆使している人たちが多くそれをビジネスにしようとしている、すでにしている企業は世界中でたくさん出てきており、それがAIを駆使するために必須な道具となる商品を開発しているNVIDIAの圧倒的業績高成長推移の現実という経過によって相場においてはAIバブル相場というものは間違いであり、信じがたいがAIに対しての熱狂的な信奉によって儲かるビジネスになるということで株価がその事実に吸い寄せられていく形でただただ形成されているに過ぎないということになります。
相場は理想と現実の狭間の希望を表現しているということになります。
月は昼間にも見えているのですが、それを認識する人は少なく、夜の月の輝きにこそ人間は認識を強く植え付けられてそれだけしか起こらないことのように錯覚し続けている、このことに相場の醍醐味があるのです。
認識の乖離が常に相場では優位性となっている
最後までお読みいただきありがとうございました。
相場は常に認識の乖離があり続けています。
そんな圧倒的高成長はないのにAI関連というだけで異常な割高水準まで買われている一方で素晴らしい業績推移を長期で継続している実は業態が異なっていたり、その中で圧倒的優位性があるビジネスモデルであるのに景気敏感業種、不人気業種に括られていることで不当に割安に放置され続けていることが今日も普通に起こり続けているのが現実です。
相場を張る上で考えるべきはこの認識の乖離、真昼の月を見出すことが相場での優位性を掴むカギとなるわけですね。
ファンダメンタルであれテクニカルであれメンタルであれ、すべてこれが大事となります。
昼間空を見上げて月を見つけ出すと私は思わずこういうことを考えてしまいます。
そもそも論として昼間空を見上げて月を探そうとするこの行為自体が非常に特殊で異常ですよね?
夜に月が輝くのを見つめることは多数の人が一度は行ったことがあるだろうと思いますが、昼間の月を探し出してみようとすることは極々少数派の人がやることだろうと思います。
私もまた特殊な少数派の思考をする人間なのだろうなと思います。
そしてそれは相場では圧倒的優位性をもたらすのです。
それがまた相場の醍醐味ですね。
相場での成功者が老若男女関わらず過去の経歴の優劣に関わらず、相場の知識の多寡も関係なくバラエティ豊かな人間たちであるのは相場での成功は常に少数派であるような思考が出来る人であるというところにあるからなのでしょう。
まずはあなたも昼間空を見上げて月を探してみてください。
きっと見つかる日があるはずですから。
