最近は異次元が流行っているのでしょうか?
確かに文化的な側面においては異次元な世界での活躍劇が乱発しています。
想像力がマンネリ化する中で様々な細かいテーマを扱うことで細分化した似たような異次元物語が大量生産されている現状です。
政治経済的な側面では日銀によるここ10年における異次元金融緩和が代表的ですね。
これは確かに異次元で簡単に述べれば本当に物凄い金融緩和が行われているとイメージすればよいことです。
そして岸田政権が掲げたのが異次元少子化対策ということなのですが、これはまだ中身が定まっておらず評価は出来ません。
しかし普通の少子化対策ではなく異次元の少子化対策ということですから俄然圧倒的な財政出動となることが淡い期待としてありますね。
異次元とは
ではまず異次元とは何かということを考えてみましょう。
辞書的な意味は異なる次元という文字通りの意味と共に比喩的に使うものとして通常とは全く異なる考え方、また、それに基づく大胆な施策といった説明になります。
今回の場合は文字通りの政策であると仮定するなら後者の意味に捉えるべきものとなります。
要するに前代未聞の常識では考えられないほどの少子化対策であるということになります。
異次元とはそのようなとてつもない異質性のある大胆なことをやらない限り付けてはいけない言葉です。
岸田政権は最初からこのようにハードルを上げてしまいました。
異次元金融緩和を真似てインパクトが欲しかったのでしょうが、異次元の意味を取り違えてしまっているのかもしれませんね。
異次元の少子化対策となるなら異次元金融緩和のように圧倒的な大胆なものにしなければならずその予算規模は10兆円を大きく越える規模であることが当然でしょうね。
最低その水準とならなければとても異次元とは言えません。
その水準以下ならいつもの効果が無い少子化対策と名称を変えなければなりません。
少子化対策は難しい
私は少子化対策は難しいと考えています。
こども手当等でお金を貰えることはもちろん家計に役立っていくらであっても助かるものになると思うのですが、それをされたから子供をさらに産もうとなるとは必ずしもならないという考えです。
人口の調節は国家ではできないという立場ですね。
国家が出来ることは子供がたくさん欲しいと思った国民が躊躇せずに産むことが出来る各種インフラ作りを整備しておくことだけだと考えています。
そのインフラが完ぺきだとしても子供は要らないという人も少なからず生じると思いますし、子供を産み育てるかどうかはそれぞれの人間の価値観によるものだと基本考えているからです。
ですから時代的に仕事をすることがより大きな生き甲斐となるといったような傾向がある環境では少子化は進みますし、危機感が生まれる厳しい環境で将来に託したいと言う想いを強くする時代においては多子化が進みます。
要するに時代によって大きな傾向というものがありそれは国家でも制御できないというのが私の基本的考えですね。
故に少子化対策はやるなとは言わないが難しいというのが私の現段階における結論です。
実際たいした給料を得られていないのに子沢山な家庭もあれば両親ともども高収入なのに子供が一人もいないなんていう家庭もありますから経済的な問題だけで決まるものではないということは明らかなのです。
国家としてやれること
しかし国家としてやれることは前述したようにインフラ整備のみなのです。
実際日本国もこれまで一応やってますスタイルでやってきたのですが確かに異次元ではないしょぼい予算額と取り組み手法のため結果は全く出ていない状況となっているわけです。
こども手当てを出すことも増額することももちろん良いことなのですが、それだけでは駄目でいつも述べているように日本国が素晴らしい環境になる国であるという土壌を利益を考えて投資しなければならない民間企業が絶対に出来ないことを国で赤字でも必要ならやるということをしなければならないのです。
具体的には良質な保育園、幼稚園、昔の乳母さん的なベビーシッター養成等々、民間参入ではどうしても経営者として利益を出さなければならない、といっても民間でも大して利益が出ていない業界を国家として発展させていかねばならないということです。
安価で安心して良質なサービスで子供を預けられる体制を全国で作り上げることが利益度外視で出来るのは国家だけなのです。
要するに若いお父さんお母さんが仕事をしながらも安心して何人でも子供を産み育てられる土台となるインフラ作りこそが民間企業では決してできない圧倒的財政出動により可能となる子供育成インフラなのです。
ただ金を配れば良いというのは今だけの発想なのです。
国家は将来も続き、将来も子を産み育てる人たちがあり続けるわけです。
現代人のみならずその子孫の人たちのことも考えたインフラ整備が出来るのは国家のみなのです。
だから変な経営者意識で生産性やら効率性やら財務規律やらを国家の財務諸表と称して重視するのではなく赤字垂れ流しだろうが何だろうが民間企業では決してできないインフラ投資は無尽蔵に継続的にやり続けなければならないのです。
国家の繁栄には人が必要です。
しかしただ我武者羅に人口を増やせばよいわけではありません。
そこで平均的に食いっぱぐれることなく生きることが出来る国民が多数となるインフラが確立され続けていることが大事なのです。
素晴らしいインフラが確立していればその国の国民の平均的幸せは向上していきますから魅力的な国となり無理やり移民推進政策などしなくても向こうから来たくなりますし、何より日本人がもっと子供を育ててみようかといった意識改革になり得るということになります。
国家としてやれることはいつの時代も各種インフラ整備をするということなのですね。
交通インフラは元より、通信インフラ、教育インフラ、育成インフラ、社会インフラ、医療インフラ、国がやるべきインフラ整備はたくさんあります。
民間企業のようなことを国家がする必要性は全くないのです。ビジネスになる利益を考えた投資をして企業を成長させる経営者視点はまさに民間企業がやっていけば良いのです。
国家としてやれることを間違ってはいけません。
国家は国家しか出来ないことを集中的にやり続けることが適切な仕事です。
箱物批判はあり確かに博物館やら資料館やら体育館やら劇場やらあまり必要性はないものはたくさんあり、この辺は考え方を変えなければなりません。
こういったものが一切不必要と言っているのではなく全国民に絶対に必要なものではないですよねということです。保育園幼稚園は子供時代がある人間であるなら誰でも絶対に必要となる箱物であり、これが民間参入を促しても利益が出ないで人件費カットとかになってしまうのならいっそ国家でインフラ整備を全国に張り巡らせてしまってはどうかということを私はただただ政府批判に興じるのではない建設的な意見として述べておきたいと思います。
これは子供時代がある全国民に必要というだけではなく将来の子孫の子供時代にも必要となることであり、国家だけが出来る全国展開だと私は思います。
異次元少子化対策
相場ではこの手のものが目先動いていますね。
利益が出ない補助金ビジネスでさらにコロナパニックで預け控えということで投資家の評価は圧倒的に低い状態がずっと続いてきていますので低評価の行き過ぎの修正といった現段階といったところで一過性に終わるリスクも十分ある投資家の評価は依然として低い業界ですが、投資家としては当然正しい判断であり、投資家は結局利益成長をもたらすだろうところに投資しますから利益度外視で投資しようと思う慈善投資家は少数でしょうね。
私個人的にも相場師としてはもう少し大きな時価総額、流動性にならないと動く意味がないと冷徹に見ておりますが国策に売りなしは確かで小利ながらもある程度の規模で軌道に乗れば安定収益を上げ続けることが出来る業界であり、故に銀行は無尽蔵、とは言いませんが潤沢に資金提供してくれます。薄利だが長期回収確実性は高い業界ということなのでしょうね。
私個人は前述したように国家が管理していくべき業界と考えていますが、現実的にはすでに民間参入を促し民間企業も多数進出して待機児童という点では実はコロナによる少子化急進も相まって解消されている状況ですから、補助金をさらに厚くしていくことが出来るかといったことが現実的な政策可能性としては見ておくべきところでしょうね。
そうなるとこの手の業界は投資先企業としても再評価されてコロナパニック脱却と共に国策銘柄としてもう少し妥当な水準へと業界全体的に水準訂正する可能性があると投資家視点では注視しています。
異次元少子化対策とやらの中身が本当に異次元かどうかが鍵ですね。
ようやくコロナ指定感染症第五類へ
最後までお読みいただきありがとうございました。
日銀の政策大転換によって黒田日銀総裁退任後の利上げ方向性は確定的となっており、去年末からの金融相場というものが持続していますが、そこに加えて国策として岸田政権が人気取りに利用しようとしている異次元少子化対策といったものが年初から登場してきて少子化対策関連相場といったものが続いてきて今年の主題はこの二軸で来るのかどうかといった年初ですね。
相場師としてはどうであれ市場の考えに従い続けるのみといった反復回答なのですが、日本人としてみたときには少子化阻止というよりは子供が笑顔で楽しく学び成長出来るインフラ作りに圧倒的に集中して大規模に予算をつけて邁進するといったまさに異次元少子化対策を実践して欲しいものだと思います。
指定感染症はようやく第五類にすることが確定したようで祝着なことなのですが、遅きに失していると批判もせねばならず少子化対策に関してもただ子供の数を増やせばよいということが目的ではなくて子供が多かろうが少なかろうがどうであれ全ての子供たちが日々楽しく生きられるような国、時代にしていくためには国家はどんなに赤字垂れ流しでも必要なところには果敢に投資していくといった民間企業では決してできない異次元の政策を実践しなければなりません。
結局異次元ではなかったといった財政規律を考えた大増税を目論んだしょぼい普通の少子化対策予算となる確率が高いと最後に現実的に悲観的に述べておきますが、こういった予測を裏切るようなものを出して先行する少子化対策関連相場を正当化するような新春となって欲しいものですね。