ゆっくりでいいんですよ。と題しての記事を私は書きました。
その主張に関しては私自身変わらぬ意見なのですがゆっくりで良いという言葉の本質を履き違えてしまっては間違えてしまいます。
ゆっくりで良い=長期投資ではないということははっきりと申し上げておかねばなりません。
そもそも長期投資がゆっくりで良い投資であるということからして大間違いなのですが、今日はこのことを考えてみたいと思います。
長期投資は初心者のための投資である
巷での株式投資の通説としてあるのはこの長期投資は初心者向けであるというものです。
私は昔からこれに疑問でした。
私が考えるところでは長期投資は他のどんな投資よりも投機よりもデイトレードよりも難関なプロ中のプロでも成功し続けることは難しい投資だと考えているからです。
これは一体どういう理由からでしょうか?
それはこれから丁寧に述べていきますが、まずは長期投資は初心者のための投資であるという考えをとりあえず保留にして欲しいのです。
長期とはどのくらいの期間なのか?
長期とは一体何年くらいのことなのでしょうか?
まずここに対して正確な定義がありません。
数ヶ月だと言う人もいれば数年、はたまた数十年といったような生涯投資のようなものを長期投資とする人も少なからずおられます。
ここからして非常に難しい投資です。
私は基本的には短期売買ですから早ければ数分から長くて数日、最長でも数ヶ月くらいで完結する取引がほとんどとなります。
これは別にデイトレードをしているわけではなくて迅速な損切りをせざるを得ない状況となる取引が多くなる手法を使っているので必然的にデイトレーダーのようにその日のうちに手仕舞うことになる取引が多いということになります。
いずれにせよきちんと取引期間が定められており、そこに違反することはまずありません。
しかし長期投資というものにはそれがありません。
何年で見切ることになるのかという基準がないのでまさに生涯ほったらかし投資をしていても一向にかまわないということになるのです。
長期期間によるリスク極大化
そして相場においては長期になればなるほど不確実性が高まり、投資リスクが指数関数的に大きくなっていきます。
大地震が起こるかもしれませんし、景気悪化もあります。戦争なども起こるかもしれませんし、何より投資銘柄に予期せぬ事態が起こる可能性が長期間においては大きく高まってしまいます。
このように時間というものは長くなればなるほど不確実性が増し、あらゆる予期せぬ事態が起こる大きなリスクを抱えることになる投資になってしまうのです。
従ってそういった事態をすべて想定してそこに対処する適切な将来分析が必要となってくるわけです。
これを投資初心者に求めることは非常に酷な話です。
長期とは結果として起こるべき投資
最初から長期投資をすると期間を限定せずにまあ何十年という適当な期間を置いてほったらかし投資をすることは投資ではなく博打です。
巷ではデイトレードこそ博打であり長期投資が王道の投資であると喧伝している人たちで満ちあふれていますが本末転倒なことです。
私も結果的にかなりの長期に渡って手がけ続けることになった取引というものは少ないですがあります。
しかしそれは最初から長期投資になると決めつけて行ったわけではありません。
ただその日に設定した損切りラインに達することがなかった、そして数日間、含み益が拡大しないことがなかった、さらに数ヶ月間上昇トレンドが続いていった、そして数年間大きな乖離を示して利益確定機会をもたらすこともなく、大きく急反落して大きなトレンドを崩すことがなかったために適切な手仕舞い機会がなかったために結果的にポジションが残ってしまったということなのです。
この大きな違いを認識してほしいのです。
長期投資こそ初心者は避けるべき
資産推移はゆっくりでいいのですね。
早く成し遂げたいという焦りが適切な売買というものを妨げるからです。
しかし投資という意味ではゆっくりでいいというわけではありません。
日々客観的評価によって迅速に投資判断し続けなければなりません。
手がけ始めてから数年後も相変わらず同じ投資判断であるなんてことはあり得ない話なのです。
何故なら時代も業界も業績も企業価値も時とともにめまぐるしく変化し続けているからです。
つまり日々投資判断の修正を行い続けるのが当然であり、それを怠る、怠りがちな長期投資という名の博打は投資初心者ほど避けなければならない投資ということになるのですね。
常識を疑えるか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
さて一般的な投資の常識とかけ離れてしまった突飛な私の主張を読んで驚かれたかもしれません。
私は決して長期投資を否定しているわけではありません。
長期投資で成功し続けている代表的な投資家ウォーレンバフェット氏がおられるわけでしてもちろん長期投資で成功可能です。
ただ難易度は最難関な株式投資だということです。
もちろんただもってほったらかしておくという意味では簡単なのですが、ここでいう最難関とは長期投資で長期的に圧倒的なパフォーマンスを出し続ける投資家になることが最難関であるということです。
さてあなたは投資の常識を疑うことが出来るでしょうか?
もう一度読み返して私の主張をじっくりと吟味してみてほしいのです。